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戦力の確認

※この度再投稿することにいたしました。もしこの作品のブックマーク、評価してくださっている皆様はもしよろしければ再投稿先でもお願いいたします。


変更点などはあらすじに記載しておりますので、参照ください。


再投稿先はこちらのURLとなります。

https://ncode.syosetu.com/n5978gw/

まずグファ氏族が魔蟲(カボインセクト)との最前線なのは変わりがない。


地形としてはグファ氏族の森から東に行くと三つの特徴的地形に当たる。


一つは北東にある、北の山脈のウルブント山脈から流れてくる川の水がたまった、キクカ湖。


二つ目はグファ氏族の土地からまっすぐ左にある、湿地帯だ。キクカ湖から南に細い川がいくつも流れており、その影響でどこを歩いても泥のような地形になっているという。


三つ目は南東にある岩場地帯だ。ガルニクス山脈に近いせいかそのあたりは大きな砂利などの地形になっている。


最後にその三つの先に最後の森が広がっており、さらにその先には砂漠が広がっている。


この砂漠から魔蟲はやってくる






「まず確認している種類は蜻蛉、蜂、百足、蠍の四種類じゃ」


今回の魔蟲の群れはこの四種類しか発見されていないとのこと。


「主な生息域はキクカ湖に蜻蛉、湿地帯には蜻蛉と蜂、岩場に百足と蠍だ、おそらくは『母体』も近くにいると思うのだがな」

「それで今回の『王』の種類は?」

「それも不明じゃ、すでに見ているのか、まだ見たことすらないのかすらもな」


エルプスの言葉に違和感を覚えた。


「見ているのかもわからない???『王』には何か特徴があるんじゃないのか?」


何か特別な存在なら分かりやすい特徴があると思うのだが。


「もちろんある、だがとても分かりづらい個体がいるのだ」


魔蟲には大きな特徴なのだが、俺達にはわかりづらい時もあるという。例に出すなら一目でシマウマを模様で見分けろと言われているのと同じようなものだ。


「『母体』は巣を作ったり胎盤らしき器官が発達しているからわかりやすんじゃがな」

「だな、それで現状を教えてくれ」


レオンと言葉で本題に入る。


「現在、我々の部隊の大半が防衛に徹し、残った勢力でできるだけの殲滅を、エナの部隊が『母体』の捜索をしている。ちなみに『母体』は二種類発見された」

「それは?」

「蠍と蜻蛉の『母体』。場所は岩場とキクカ湖で発見された。それが数日前のことじゃ」

「そしてこれからどっちに攻撃を仕掛けるか考えたところにレオンが返ってきたわけさ」


いつの間にかアシラがこちらにやってきていた。


「なんだ喧嘩はいいのか?」

「今も勃発中だよ」


アシラは親指で扉の向こうを指さす。


「へやぁあ!!!!!!」

「はっは!!!!!!」


外ではエナとムールが戦って、いや殺しあっていると表現するのがより適切だろう。


「いいのか止めなくて?」

「いいさ、二人とも不味いと思ったらやめるさ」


そう言うと座り、本格的に会議に参加する。


「どこまで話した?」

「今は『母体』の発見までじゃ」

「じゃあ、そこからはおれが話そう」


そう言うと手だけを『獣化』すると爪で床に絵を描き始めた。


「悔しいがエナの部隊のおかげで『母体』を発見できた。そして確実に『母体』を屠るために最低限の戦力だけを残して一つの『母体』を攻撃するべきだと考えている」

「どっちにだ?」

「それは『蠍』だ」


レオンは視線で『なぜだ』とアシラに尋ねる。


「理由としては簡単だ、蜻蛉と蜂は空を飛ぶからつぶしていくのに時間がかかりすぎる」


仮に蜻蛉の『母体』を標的にすると、当然ながら蜻蛉の群れが『母体』を守ろうとする。となると空に対する碌な攻撃手段を持たない獣人では群れを排除しようにも時間がかかりすぎる、そうなれば他の魔蟲が援護にきて窮地に陥る可能性がある。


「だから、先に地上しか生きられない蠍と百足の『母体』を排除し、地上の敵を削りきってから空を飛ぶ蜻蛉と蜂を殺せばいい」


アシラが提言し終わる。


「なるほど、どう思う?」


首をかしげながら、レオンが問いかけてくる。


「おいおい、レオン」

「問題ない、エナが連れてきたんだ、その意味を考えてくれ」


しばらくレオンとアシラが視線を交わすと、アシラはため息を吐く。


「おいバアルっていったか、お前はどう考える?」


なんとアシラまで意見を求めてきた。



「……そうだな、まずは確認だ、お前たちは遠距離攻撃を持っているか?」

「いや、仮に持っていてもほんの10人程度だろうよ」

「……………弓すらもないと?」

「あ?飛び道具ならないぞ?なにせ俺たちは自分たちの爪と牙で戦うからな」


ということで遠距離攻撃には期待ができない。


(マジで脳筋種族なのな)


「じゃあ現状の個別戦力比を教えてくれ」

「個別戦力比?」

「一匹の百足や蠍に何人なら対応できるのか、討伐できるのかということだ」


するとレオンとアシラは考え始める。


「百足は3人いれば確実にやれる、2人もいれば時間稼ぎは容易じゃな」


逡巡しているふたりを置いてエルプスが話してくれる。


「じゃあ蠍は?」

「蠍は一人でも十分に対処できる、2人もいれば完璧じゃな」

「蜻蛉と蜂」

「両方とも真正面から戦うのであれば一人でもこと事足りる、じゃが」


当然、群れで襲ってくるだろうし、何より空からの攻撃と地上からの攻撃を受けることになる。


「(もし『王』の個体に知能があるなら襲撃したタイミングで他種族の魔蟲が援護に入る可能性がある)…いままではどのような行動をしていたんだ?」

「ん?ああ、『母体』を探すと同時に間引きをしていたな、あいつら放っておくとどんどん増えていくからな」

「間引くってどうやって?」

「簡単だ、あいつらそれぞれの縄張りに入るとどこからともなく襲い掛かってくるんだよ」


湖に近づけば蜻蛉の群れが、湿地に行けば蜂が、岩場にいれば蠍の群れが襲ってくるらしい。


「百足は?」

「あいつらはどこにでもいるんだよ」


百足はすべての場所に存在するらしい。


「じゃあ百足以外の介入はあるのか?例えば湖で蠍の援護が入ったりとか?」

「あるぞ、まぁ数は少ないがな」


援護が来た時点で連絡できる手段があることは判明した。


ただそれが指揮しているのか、同じ群れだと認識して自身で動いているのか判断がつかない。


「(となると取るべき方法はこうだよな)レオン一つ提案があるんだが」

「おっと、話をする前に少し待て」


そう言うと立ち上がり外に出る。


「なんだ?」

「気にするなよ、全員を呼んでくるだけだからさ」


ガゴン!!


何か鈍い音が聞こえてくる?


「呼んでくるだけ(・・)?」

「いつものことさ、気にするな」


するとレオンが気絶したルウを担いで戻ってくる。ほかのみんなもレオンに続いてきた。


「さて、じゃあ、話してくれ」

「いや、そいつはいいのか?」

「大丈夫だ、後で説明しておく」


そう言うと隅にルウを放り投げると全員が俺を囲むように座る。


「それで提案ってのは何だい?」

「その前に聞きたい、ここにいる全員は魔蟲を討伐することに命を懸けているか?」


思いついている作戦は確実に損害が出る、そうさせないためにこの確認は必要だ。


「愚問だぞ、バアル」

「そうそう、オレたちは元からその覚悟をしている」


他のみんなの表情を確認するとレオンとエナと同じみたいだ。


「なら、いい、俺が今まで聞いた話だとまずは『母体』を殺すことを第一に置いていること、違うか?」

「その通りだ、さっきも言ってたが『母体』を屠らないといつまでも増え続けるからな」


アシラが代表して答えてくれる。


「それならいい、まず検討している話だと既に蜻蛉と蠍の『母体』が発見されている。そして空への備えがない時点で蠍の方を討伐しようとしている、合っているか?」

「ああ」

「さっさと話しを進めてくれ、本題が見えない」


エナが痺れを切らすので本題に入る。


「俺から提案したいのは3方向への分散攻撃だ」

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