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成果の実演、そのときに使われるものは

パチ


パチパチパチ


パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ


最初は少なかった拍手が徐々に大きくなり、やがて会場の全員が拍手をするようになった。


「どう?面白かった?」

「ああ、これは面白いな」


もちろん製法を明かすことなどせず、有用性だけを見せていった。


(軍人からしたらほしい道具だろう)


あの道具の実用性が広がればどれほどの財になるか。


「それに耐性と属性付与は実は同じものか」


火を生み出すことと、火に耐えることはイコールではないはずなのだがな。


「何か参考にありそうかい?」

「残念ながら、現段階だと俺達にはあまり意味がない情報だな」

「そうか…次が始まるみたいだな」


ステージに目を向けると、いくつもの檻が置かれている。


「では、お次は『魔獣研究室』の発表です」


司会の声と共に、身だしなみを整えた男性が入ってくる。





「僕は『魔獣研究室』のセルロ・マク・ルフィニズといいます」


ここで今更ながら、疑問が出てくる。


「今更の疑問なんだが、マクとエルの違いはなんだ?」

「ん?ああ、簡単に言うと上位貴族か下位貴族ってだけだよ」


マクが騎士、男爵、子爵に与えられ、エルが伯爵、侯爵、公爵に与えられる名だという。


「それでいうとエルの名前はあまり聞かないな」


学院内ではロザミアとロー爺でしかその名前は聞いたことがない。


「それより始まるよ」










「我々が注目したのは獣人についてです」


檻の一部を外し、中から幼いイヌの特徴がある獣人を取り出す。


「********!!!********!!」


なにかを喚くが、誰も気にも留めない。


すぐさま猿轡を嵌められると、裏から数名が出てきて取り押さえられる。


「まず、我々は着目したのは獣人の【獣化】です。皆様の中には軍事関係の方々もいらっしゃるので、その方々はどのような力か理解できると思われます」


そう言うと、少年に向き合う。


「『獣化しろ』」

「!?!!!!!!!!*******!!!!!!!」


首輪と腕輪が薄く光ると少年はもがきくるしむ。


そして次第に肌の色が変わり、毛深くなり、より獣に近い姿になる。


(さながら狼男だな)


腕すべてが剛毛に覆われ、指の先から鋭く大きい爪が生える。


胸から上は獣の特徴を得て、顔も狼の骨格になる。


「このように獣人は獣の姿を取ることができるのです、そしてこのような姿になれば」


少年が鉄鎖で縛られるとその場に立たせられる。


「では行きます、『爆炎球(フレイム)』!!」

「!?******!!!!」


「「はあ!?」」


ノエルとリンが驚くのも無理はない。


なにせ俺達とさほど変わらない少年が炎に包まれて燃えている光景を見ているのだから。


ギチッ

「…ッチ!」


舌打ちをしたのは俺たちの後ろで待機しているハイエナの獣人だ。


(まぁ同胞があんな扱いをされれば腹も立つか)


口の端から血が流れている。


悔しくて唇でも噛んだのだろう。


「さて、この通り獣人は種別ではあるのですが獣化すれば、この通り『爆炎球(フレイム)』にも耐える様になります」


ステージでは炎が消えて、肌に焦げ跡が付いている少年がいた。


だが獣化した部分には一切の焦げ目がない。


「もちろん、子供であるがゆえに耐性の力は大人よりも劣ります。ですが劣っているとしても真正面から『爆炎球(フレイム)』を浴びても平気でいられるのです」


平気と言っても人の部分にかなりのやけどを負っている。


(だが確かに獣の部位には不自然なほど火傷がない)


魔法に対しての耐性があるのか、火に対しての耐性があるのか。


「そして、これは火対してだけではありません」


セルロが何やら裏に視線を向けると剣を持ってきた。


そして何やら頷きあうと一人が剣を振りかぶり。


容赦なく剣を振り下ろした。


「********!!!!!!!」

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