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有能で血筋がしっかりしているのに

「よくぞ来た」


ロザミアに案内された部屋では白いひげを長く蓄えた人物が待っていた。


「お久しぶりです。ローエン学院長」


以前、何かのパーティーで顔合わせしたことがあるのを覚えている。


「よいよい、もっとフランクに接したまえ」

「そうそう、なにせ生徒である私たちもロー爺って呼んでいるくらいだし」


ロザミアは飄々と言い、何も言わずにソファに座る。


「もちろん、公式の場などではわきまえてはもらうが、そうでないときはこんな感じでよいぞ」

「では、お言葉に甘えましょう」


とはいっても最低限の礼儀は守る。


「まず、マナレイ学院についてはどのような認識をしている?」

「魔法について高度に研究している場だと思っています」

「その認識で問題ない。それと手紙に書いていたのだが研究室は決めたか?」

「はい、『魔力研究室』にしようと思っています」

「ほぅ、それはロザミアに勧められてのか?」

「???いいえ、私自身がそこでなら有益だと判断したからです」


ロザミアに視線を向けると笑いを堪えている。


「そうか、ではあとのことはロザミアに託してもいいかな?」

「ええ、問題ないわよせっかくうち(魔力研究所)に入りたいって新人なんだから手厚く歓迎するわよ」

「………あ~ローエン学院長、まさかとは思いますが、魔力研究室の研究者とは」

「うむ、そこにいるロザミアで間違いないぞい」

「…………おぅ」


魔力というありふれたものを研究しているからフルク先輩みたいな人だと思っていた。


だがまさか、これが研究員とは。


「一応聞いておきますが賄賂とかもらいました?」

「………ぶっははははははは、安心せい、孫は10の時には学院に来ておった、ほとんどの学問を修めて、ほとんどの研究所より招待状が届くほどじゃった」


って学院長の孫かよ!?


「だが将来を有望されていた我が孫が進んで道は誰もが首をかしげるよくわからない学問だったのだ」


才覚云々は正直どうでもいい、前世でも成果を出す学者ってのはどこかねじが外れていたから慣れている。


「よくわからないなんて失礼だな、どう考えても真っ先に研究するべき部分だろうが」


そこについては俺も同意見だ………誠に遺憾だがな。


「しかしのう、五年経った今でも満足に成果を上げられてはいないではないか」

(………え?15?そのなりで)


ロザミアは背も高く、どう見ても20に差し掛かった容姿をしている。


「そうさ、でも」


頭が掴まれる。


「私と同じように常識を疑う人物が現れた」

「おい」

「常識を疑えない奴に新しい常識は生み出せない。私もどっかで常識にとらわれている部分があるかもしれない」


……それで成果が出ないなら意味がないだろうに。


「それでは、これからのことについて話しておこう」


ローエン学院長から一つの本が渡される。









まずこの学院では知っての通り、入学すると体験訪問を得て自身の入りたい研究室を選ぶ。


そして研究室では上げた功績により人数と予算が決められており、人気の研究室は基本選抜試験が行われる。


研究室は最低人数が1~10人なので、魔力研究室に関しては試験もなしに通ることができる。


そして授業なのだが、数ある講義の中から自分の研究室に合った科目を選び履修する。ここは大学と似ている。


そして最後に一番重要なのが、年に四回の研究発表会。


5日に渡りすべての研究室が順々に大学の大広場で成果を発表していく。


この発表で拡張する研究室もあれば縮小する研究室もあるので学生はみな必死になり成果を求めようと努力をする。


そしてこの学院には一つ特徴がある。

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