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リユーラ商会

「それでレイン嬢、なぜついてきているのですか?」


現在予約してあった宿に向かうのだが、馬車の中にはレイン嬢とメイドが一人乗り込んでいる。


「いえ、明日は案内しろと父さまから言われましたが、べつに今日から案内をしても問題ないと判断しました」

「今日はやることがあるとは思わなかったのですか?」

「でしたら後ろで見ているだけにいたします、もちろん何かあった際は助言をさせてもらいますよ」


ということで宿に到着するまではキビルクスの特産を紹介された。








「え!?」


宿に到着しチェックインすると、なぜだか、レイン嬢は驚く。


「なんだ?」

「三人部屋、それもリンとノエルちゃん……」


なるほどどんな誤解をしているかが今の言葉で理解できた。


「リンは護衛だから同室、ノエルも侍女としてついてきているから同室、何がおかしい?」

「いえ、その、男性の部屋に独身の女性が止まるのはいかがなものかと」


そういうが目を光らせて興味を持っているのがよくわかる。


「安心してください、レイン様の考えているようなことは起こりませんから」


リンがそういうとレインに近づき何かをささやく。


リンが離れると、そこには顔を真っ赤にしたレインがいた。


「何を言った?」

「いえ、なんでもないですよ」


まぁ別段何も起きないので放置する。









「それじゃあ、役割を与えられたもの以外は自由にしていい、ただくれぐれも騒ぎ起こすなよ」

「「「「「「「「「「「は!!!」」」」」」」」」」


そういうとすぐさま騎士や御者は宿の外に出ていく。


仕事を命じられた者は忠実に実行し、休みを言い渡された奴らは徒党を組み歓楽街に遊びに行った。


「それじゃあ俺たちも町を見て回るか」

「そうですね」


ということでリンとノエルを連れて町に出る。


「では私がご案内します」


待ちに出た瞬間レイン嬢が出てきて、名乗りを上げる。


「ではお願いします」

「はい、まず一番のおすすめは騎乗体験です!!!」









ということでレイン嬢の案内でやってきたのが門の近くの草原だ。


そして城壁に寄り添うように様々な家畜小屋が置いてある。


「こちらです」


そのうちの最も大きな家畜小屋に向かう。


「こんにちはー店長いますかー?」


中に入るとレイン嬢は大声で誰かを呼ぶ。


「おお~レイン様かどうしたんだ?」


奥から一人の男性が出てくる。


「実はこの三人に騎乗体験をさせたくて」

「なるほど、では貴方も貴族様ですか」

「ああ、ゼブルス家の長男のバアルだ」

「ゼブルス……公爵家!?」


するとすぐさま跪く、


「失礼をしました、私はこのリユーラ商会会長、ダクン・リユーラと申します」

「よろしく、今日はレイン嬢の案内で騎乗体験をさせてもらえると聞いたのだが」

「はい、当店では家畜の売買、育成請け負い、貸出など家畜に関して幅広く行っており、騎乗体験はそのうちの一つなのですが……」

「どうしたの?」


ダクンはレインを見てしばしば考え込む。


「わが商店では馬はもちろん、様々な騎獣を執り行っております。ですがもし、レイン様同様に特殊な騎獣に乗りたいとのことなら、やめといたほうがいいかと」

「どういうことだ?」


リユーラ商会には馬をはじめとし、大蜥蜴(レッカーコモド)大駝鳥(チェクエル)猛突犀(エラモステリウム)穏走竜(ヒュロクス)輸走亀(ビッグトータス)大毛象(マルファント)など希少な騎獣を扱っている。


だがこれらは特殊な訓練を受けた者しか乗ることはできなく、訓練してないものが乗れば怪我だけれは済まないことも多々あるらしい。


「ということで、私としては特殊な騎獣を乗るのは控えたほうがいいかと」

「え~~面白いのに」

「それはレイン様だからです!ふつうは何も教えてないのに猛突犀(エラスモテリウム)とか乗れるわけないだろう!!!」


最後に敬語が取れるほどにはレインには手を焼いているみたいだ。


「こちらとしてもできれば大けがとかは避けたい、普通に馬とかを貸してくれないか」

「それを聞いて安心しました」


ということで素直に厩舎の中に案内してくれる。


「ではこの中から選んでください」


案内された場所には50頭ほどの馬がいた。


「この馬は安全なのか?」

「はい、商会で選りすぐった馬たちです。どれも気性は穏やかで人懐っこいですよ」


ダクンが手を伸ばすと馬は頭を擦り付ける。


「ただ、その分馬力は弱いですが、騎乗体験というのならもってこいですよ」


たしかにな。


力強い馬は戦場や重労働に適しているが、力が弱い馬はこういった体験などがあっている。


「試しに触れてみてもいいか?」

「どうぞ、どうぞ」


試しに触ろうとすると、馬が自分から体を寄せてきた。


「たしかに人懐っこいな」


これならばそうそう暴れたりはしないだろう。


「じゃあダクン、私はいつもの!!」

「レイン様、今回はバアル様が体験しているんです、少しは自重してください」

「むぅ」


なにやらレインにはすでに愛用している騎獣がいるようだ。


「ダクン、俺は乗らなくていいからどんな騎獣がいるか見せてくれないか」

「あ、はい、わかりました」


馬なら何度かすでに乗っている、今更体験する意味などない。


それからダクンの先導の元ある厩舎に入る。


「いいですか、ここから先は下手に行動をしないことをお約束ください。この中にいるのは大変危険な騎獣もおります故」


ということでダクンと離れないことを約束し、中に入る。

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