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始まった妨害

それからは冬季休校まで同好会の資料を王城の一室に移す作業や、国費を使い研究に必要なものを買い込んだ。


「それと、これが冬季休校から二年先までどうすればいいかのマニュアルも置いて行きます」

「本当に!助かります!!!」


冬季休校の数日前に研究室として割り当てられた、王城の一室に資料のすべてを運び終わった。


「え~と、同好会と同様にスキルレベルと使える(アーツ)を調べる、その時の情報を言っていて順で書き記して、この魔道具の上に置いて、ボタンを押すだけ」


すでに撮影機の配備しているので、これからも断続的に情報が入ってくる。


そうすればニュクスが分析を行い、俺に情報がフィードバックされていく。


「騎士団からの情報採取に陛下の許可も取り付けています、なので思う存分やってください」


もちろん騎士団からしたら邪魔に感じるかもしれない。


なので陛下の許可をすでに取ってある。


「一つ疑問だけど、調べるのにステータスの欄があるよね?そこはどうすればいいの?」

「それもすでに手配している、月に一日だけ教会から『神鑑の眼』を借りる約束になっている。その時にデータを採取すれば問題ない」


最初は騎士団もステータスを測られることを嫌がってはいたが、鑑定代をこっち持ちと言った瞬間飛びついてきた。


「それじゃあ、あとは頼むぞ」

「了解です!!」

「それと何かあったら、近衛兵団に伝言を頼む、そうすれば俺に届くから」


本当なら通信機を渡したいところだが、残念ながらフルク先輩を信頼はできない。


「じゃあ、俺が戻るまで研究室を頼む」

「わかりました」


ということで研究室の準備は終了した。














「では明日から冬季休校となります、皆さん、来年も無事に会えることを楽しみにしています」


今年最後の授業が終わると、教師がそう締めくくり終了した。


「さて、バアルはこれで中等部は最後になるのね」

「だな」


来年から二年間マナレイ学院に留学することになる、つまりは中等部は今日で最後になる。


「クラリスはそのまま学園に通うんだよな?」

「ええ、ノストニアに帰る気もないし、バアルの家に居ても何だし、そのまま学園に通うわよ」

「そうか」


クラリスに関しては問題ない。


もちろん、護衛を付け、裏の騎士団も護衛をしてくれる。


これならば変な虫は寄ってこない……と思いたい。


「で、結局誰を連れて行くの?」

「今回はノエルとリンだな」

「ノエルは分かるんだけど、リンも?あの子も学園はあるわよ?」

「そこは大丈夫だ、もう学園長に俺と同様に卒業を約束してくれた」


ということで問題ない。


「まぁ何かあったら、俺の実家を頼れ」


色々な思想がある関係だが、とりあえずは身内と言っていい関係だ。


何かあった際に助力する義務があるだあろうからな。


「まぁ私はこっちで楽しくやらせてもらうわ」


ということでクラリスはグロウス王国に残ることになった。











「ほら帰るぞ」

「「はい」」

「「は~い」」


全員が馬車に乗り込む。


「ではバアル様、御達者で」

「ジョアンもこの屋敷をたのむぞ」

「心得ています」


ということで、屋敷を任せ、ゼブルス領に帰ることになった。









「「にぃに!おかえり~~~」」


家にたどり着くとすぐさま、二人が抱き着いてくる。


「ただいま、父上と母上は?」

「今は執務室におります」

「そうか、一緒に行くか?」

「「いく~~」」


ということで二人を抱えて父上の元まで連れて行く。


「失礼します」

「おお……………帰って来たか」

「おかえり」


執務室には机の上で書類に忙殺されている父上と、それ感――見守っている母上がいる。


今回は取り繕うほど余裕はないらしい。


「ちち」

「だいじょうぶ~?」


すぐさま二人は駆け寄り心配する。


「ある~しる~~」


感激して二人を抱きかかえ、じゃれる。


「今回は結構な量ですね」


いつもなら父上に来るまでだいぶ数が絞られるのだが、今回はメートル単位の厚さの束が置かれている。


「内容を見てみれば、どういうことかわかるわ」


母上が一枚の書類を見せてくる。


内容はとある貴族からの救援要請だった。


「原因は……盗賊ね」

「それもその領地の騎士団が勝てないほどの、ね」


言葉の裏に、だれかに手引きされた、と聞こえてくる。


「まぁ、頑張ってください」

「バアル!?」


一切手伝わないことを言うと父上は驚愕し振り向く。


「す、少しぐらい手伝ってくれたりは?」

「来年からはマナレイ学院です、そのための準備や、イドラ商会の調整、とある騎士団との話し合い、経路の確保などを行うので、暇がありません、なのでこの書類はすべて父上にやってもらいます」

「そんな~」


残念ながら、本当にいろいろな方面とやり取りがあるので、本当に手伝うことができない。


「まぁ、もう少ししたら少しは落ち着きますのでそれまでは頑張ってもらうしかないですね」


それから自室に戻ると、案の定書類の山が出来ている。


(さすがに、そこまで重要な案件は回ってきていないな)


なので今回はある程度は早く終わりそうだ。

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