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波乱を呼ぶ定例会

「よくお集まりいただきました、今回の定例会は少々重要な情報を扱っているので、いつもよりも先んじての開催となります」


定例会が始まると一人の騎士が祭壇に立つ。


「どういった情報なんだ?」

「それ相応のことでは変更はないから、かなり大事だろう」

「だが大事と言っても、そのような情報など出てきてはいないぞ」


周囲では支援者が話をしている。


『静粛に』


陛下の声でこの場の音が無くなる。


「では発表いたします、クメニギスとネンラールが戦争の準備を始めました」


「「「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」」











裏の騎士団の発表ではクメニギスの西とネンラールの東に武器や食料、傭兵が集まっているのを確認したらしい。


(グロウス王国に向けてではない……ブラフの可能性があるが、そこまで面倒を準備するか?)


「そこで我々は調査をしたところ、クメニギスはフィルク聖法国と同盟を結び、蛮国に攻め入るつもりです」


蛮国とはあくまで我々の中での呼称だ。


なにせ正式に国と呼べるものは無く、いくつもの氏族のつながりしかない土地なのだ。


「それはどこまでだ?」


グラキエス家当主が手を上げ発言する。


「調べてみたところルンベルト地方まで進出するそうです」


ルンベルト地方は蛮国とフィルク聖法国とクメニギスを結ぶ地方のことを言う。


イメージとしてはアフリカ大陸とユーラシア大陸を結ぶところに当たる。


なので蛮国とフィルク聖法国は何年もその場で争っている。


それにクメニギスが参戦するとのことだ。


「目的は?」

「不明、ですが政治に不介入のマナレイ学院から意見が上がったとの声もあります」


チラッ×3


貴族のやり取りを聞いて、陛下、グラス殿、アスラ殿の視線がこっちを向く。


「もしや見越していましたか?」


リンが耳打ちしてくるが、違う。冤罪だ。


「それでネンラールの方は?」

「そちらはアジニア皇国との戦争を考えているようです」


チラッ×多数


今度は会場にいるほとんどが視線を向けてきた。


アジニア皇国でいろいろ根回ししたのはここにいるほとんどが知ってる。


「はぁ~戦争に発展する経緯を教えてくれ」


手を上げて発言する。


「はい、まず基本としてネンラールでは魔法技術があまり発達しておりません。そして同時に魔法を脅威に思っています、そこでどうやら魔力を使わないジュウとやらに興味を持ち技術を横取りしたいようです」


魔法技術でははクメニギス魔法国もちろんグロウス王国にも及ばないとなると、ほかの技術を取り入れようとするのは自然な流れだ。


(それに選ばれたのがアジニア皇国か)


さすがに国の規模が違いすぎる、負けるのは火を見るよりも明らかだ。


「我が国に飛び火などは!!」


一人の貴族が声を上げる。


だが周りからは嘲笑が上がる。


(ここにいる奴らは馬鹿じゃない、グロウス王国の軍事力だと全面戦争にならない限り、負けることはないのがわかっているんだろう)


なのでたとえアジニア皇国を滅ぼしたとしても、すぐさまグロウス王国に戦争を仕掛けるなんてことはまずできない。


それこそ軍事力の5パーセントほどでアジニア皇国に勝利しなければいけない。


それに


(裏の騎士団はすでにイグニアがネンラールと接触しているのを知っている、向こうもイグニアという隠れ蓑の後ろで得られる利益を持ちたいはずだ)


「だが!仮にアジニア王国のジュウの技術が渡ればどうなる!攻め入る可能性もゼロではない!!」


もちろんその通りだ。


増長すれば確率は少なくないが、ジュウなどそこまで脅威には感じない。


だがジュウが何か知らない奴らからしたら不安なんだろう。


それからは飛び火を警戒する貴族と問題ないという貴族の間で討論が始まり、もはや会議どころではなくなった。

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