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【旧作】冷徹公爵の異世界人生~助けてほしいだと?なら見返りは?~  作者: 朝沖 拓内
第一章 こうして転生し盤石な人生を手に入れる
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なんだもう終わりか

全員の言葉が重なった。


「え?!は?!あの子供がすべての魔道具を作っていると?!」

「そうだ、以前イドラ商会でも確認を取った」


これには全員驚く。


「たく、いいかお前らは子供が自分で作った者を取り上げようとしている情けない大人だぞ。それに話をすればとても理性的な子だったぞ?」

「……グラス、お主も会話したことがあったな」

「はい」

「どんな子供だった?」

「……そうですね、とても子供と思えない子供ですね。イグニア殿下との決闘の際にも殿下を気遣い引き分けに持ち込んだぐらいですし」


陛下はうなるように考える。


「財務卿、イドラ商会の営業停止を取り消せ」

「よろしいので?」


取り消してしまえば王家が負けを認めたも同然だ。


「ああ、今回は欲に目がくらんだ我らの敗北だ」

「陛下!そんな簡単に負けを認めるなど!」

「戦時ならともかく、このような状況下で負けを認められぬ王は王ではない!」


力強い陛下の言葉に貴族たちは黙り込む。


「アスラ、それとゼブルス家の嫡男との橋渡しを頼む」


するとグラキエス卿は臣下の礼を取る。


「御意、陛下の仰せのままに」


こうして今回の騒動は終わった。













「ということだ営業停止は撤回させた」

「だから魔道具を使えるようにしろと?」


魔道具を停止させる日にグラキエス家当主が俺に会いに来ていた。


「なるほど、お話は分かりました、ですがまた魔道具を使えるようにするには1ヵ月ほど時間が必要ですね」

「……本音は?」

「二度とこのような馬鹿な真似をできないように、少しお灸を据えようかと」


するとアスラ殿は笑い出す。


「そうだな、愚か者には据えてやれ。魔道具はこの国を便利にしたのに自ら首を絞めようとしているんだからな」

「……今回はお手数をお掛けしました」


俺は姿勢を正し頭を下げる。


「いや、問題ない。それにお前が魔道具で他国に交渉すればどのみちこの問題は解決しただろう?」


最悪はそれも考えていた。


「まぁそれをすると後がめんどくさいですが」

「……まぁいいさ、これからもいい隣人でいてほしい」

「こちらもよろしくお願いしますね、それとですが――――」


あと一つ交渉をしてアスラ殿は帰っていった。











1か月後、魔道具の影響でかなりの不満が俺に圧力をかけた貴族に行った。


「しかし不思議ですね、なんでバアル殿が責められないのですか?」


リンは紅茶を入れながら不思議がっている。


様々な人が『魔道具が使えなくなった』ってイドラ商会を責め立ててもいいはずだとリンは思っている。


「それは簡単さ、複数の大人が子供に責任を押し付けたとなると、どういう評価が立つと思う?」


イドラ商会は命令に守っただけということが分かったら、文句の行先は営業停止を突き付けた教会や貴族たちに行きつく。


メンツが大切な貴族からしたらそんなことできないのだ。


「それと俺は国からの営業停止に忠実に従ったし、また魔道具の再開だってどうやっても1か月は停止せざるを得ない」

「たしかに…」

「それにだがアスラ殿を通じてその噂を流してもらったからな」


これでまず標的になることはまずないだろう。


「…そういえば某は魔道具を停止させる道具というものを見たことがないのですが」


ふと気になったことをリンは尋ねてくる。


護衛でほとんど俺から離れないリンはそのようなものは見たことがない故の疑問だろう。


「簡単だ、ここにあるからな」


俺は前世で見慣れたものを取り出す。


「……板?」


俺が取り出したのは前世でよく見た薄型ノートパソコンだ。


「これを少しいじるだけでどこまでの範囲で魔道具を停止させるかを決めることができる」


まぁ機能はそれだけではないがな。





「なるほど……そういえば以前捕らえたあの者たちはどうするおつもりで?」


……ああ、あの二人か。


「まぁ身分が不明だったことで今は牢屋にいれているが、時期に迎えが来ると思うぞ」















「うぅ~~~~、なんで私が……」


私は組織から命令で再び、この屋敷に潜入している。


命令は簡潔『ほか二人がどんな状況か確認し救出できるなら救出すべし、もし無理ならば口封じをしろ』というものだ。


ということで牢屋の場所を調べ上げて潜入する。


「うぎゃ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」


中に入ると何かしらの悲鳴が聞こえる。


(ゴクッ……見つかったら何をされるか…)


でも任務に失敗したら今度こそ何をされるかわからない。


(闇魔法『影被り』)


女性の体は影が張り付いたように…それこそどっかの子供大人探偵の犯人みたいな恰好になる。


(それと火魔法『筋力強化』、土魔法『重量軽減』)


女性は壁に手を付くとトカゲのように張っていく。


「うげ~~、あんな拷問俺には耐えられないぞ」

「本当にな、あんなおもちゃみたいな扱いはごめんだ」


二人組の騎士が真下を通っていく。


(………そこまでひどい拷問を受けているのね)


彼女は仲間の彼らを救うべくできるだけ急いで行動した。

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