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留学の案内

クメニギス魔法国


グロウス王国の西側に接している国で、魔法技術が盛んな国。


地形は


東にグロウス王国。


北東にはノストニア。


北は険しい山脈。


南は海。


西は北側にフィルク聖法国、西南側には国の名前はないが蛮族の集落が存在しているらしい。


農業はや工業はグロウス王国とさほど変わりないが、魔法技術だけは先んじられている。


おもな工業は北の山脈地帯から、農業に関してはどこも大して変わらず、畜産などに関してはキビクア領に近い東部が盛ん。


貴族制度もこの国と大差ない。


そして高い魔法技術の発祥もとだ。





手紙にはそのクメニギスの王家の印璽(いんじ)が使われている。


「ああ、実はクメニギスの学院に知り合いがいてな、その友人が先日の発表を甚く気に入ってな」


学園長の話を聞きながら、手紙を開く。



「マナレイ魔導学院長からですか」

「そうだ、私が学生だった頃、一時期向こうに留学してなそこで知り合ったんだ。手紙は、まぁ一言でいえば、留学の案内だ」


手紙には先日の発表の件についての賞賛と、クメニギスの学院に来ないかという内容だ。


「学院については知っているか?」

「いえ、学院の名前はかろうじてという程度です」

「では話そうう」



マナレイ魔導学院、クメニギスの根幹と言ってもいい学園だ。


高い教育性と幅広い魔法の研究を日夜行っている。


魔法を学びたいのであればまずはここに行くべきだと知っている人は口をそろえて言う。



「まず学院の教育体制はグロウス学園高等部とかなり違った形を取っている」


と言うと?


「形式としてはまず学院に入ると研究室に入ることになる」

「研究室ですか」


まずは学院に入ると研究室に入るか、新しく研究室を作るかの二択が取られるという。


「学院では多くの授業の中から研究のためになりそうな科目を見つけて履修していく、そして履修した科目の知識を生かし、定期的な成果発表会を行い。そこで成果を見せつければ学院から研究費を貰える」


そこは部活と似たようなものだ。


「これが研究室の一覧だ」


手紙の他に研究室の一覧が書かれた手紙が添えられている。


「どうだろう行く気はあるかい?」

「いくつか質問です、向こうに留学するにあたってこちらの学園はどうなりますか?」

「もちろん、こちらでも同じように進級基準を満たしていると認めよう」

「留学とおっしゃいましたが、期間は?」

「来年から中等部の卒業までと考えておる」


つまりは来年から二年間ということになる。


「では最後に、向こうの政治状況についてです」

「う、うむ」


クメニギスは三年前に王太子が死亡し、今でも継承位争いの真っただ中だ。


「話を聞いたところによると第三皇子が継承位争いから抜け出家したとは聞きましたが?」

「その通りだ、だがまだ第二第四、第五王子と第一第三王女が継承位争いを続けている」

「そこに俺を放り込む意味をご存じで?」


当然ながら他国の公爵家の嫡男が赴くんだ、どう考えても燃え盛る焚火に油を突っ込むようなものだ。


「ああ、その心配はないから安心しなさい」

「………心配はない?」

「そうだ、実はマナレイ学院は政治の場を持ち込めない特殊な場となっている」


それから話を聞くと、三代前の国王が学院内ので政治闘争を禁止する令を発したらしい。


その理由が国の発展を促す場所なのだが、一時期政治争いが活発になり研究が碌に進まなかった時代があったとか。


「その時に有能な研究者のほとんどがボイコットを決めてな、そこから五年ほどは碌な活動などなかったんだ、それにしびれを切らしたクメニギス国王は貴族を一喝し、諫めたのだ」

「やけに詳しいですね」

「儂はその時マナレイ学院におったからのぅ」


その時のことを知っている人間というわけだ。


「だから学院では、そう言う話は上がらないと思ってもらっていい」


一応は安全だという。


「ふむ、少し考えさせてください」

「よかろう、できれば冬季休校までには返事をもらいたい」


とりあえず返事を保留にする。

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― 新着の感想 ―
[一言] 心配は無いって学園長から言質取ったんやでなんかあれば学園長強請ればええやろ。
[一言] 心配は無いって学園長から言質取ったんやでなんかあれば学園長強請ればええやろ。
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