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王都ゼブルス邸

11/01~11/10まで毎日二話投稿いたします。


読み飛ばしにご注意を。

「おかえりなさいませ、バアル様」


バアル邸に入ると年老いた執事が出迎えてくれる。


「これから世話になる、ジョアン」


ジョアンはこの王都ゼブルス邸の執事長だ。


かなりの高年齢なのに、背筋は一直線に伸び、真っ白な髪は弱弱しさなど感じさせずにむしろ生来からその色だと思わせるほど生気に満ちている。


「ゼブルス邸のことを知りたい」

「わかりました、まずは奥方様と護衛の皆様のお部屋に案内させましょう」


ジョアンが手を叩くと、執事や侍女がやって来て馬車の荷物を運んでいく。


「ではこちらへ」


ジョアンの案内で館の中に入っていく。









「まずはこの館の管理を任されている、執事長ジョアンと申します」


父上の執務室を借りて、ジョアンにこの館についての報告をしてもらう。


「まず屋敷で雇っているのは執事20名、執事見習い8名、それと私と同等の権利を有する侍女長アンリエッタ」


ジョアンの後ろで30代ほどの侍女がカーテシーで挨拶をする。


「アンリエッタを筆頭に侍女80人、侍女見習い20人が在住、ほかにもコックが15人、庭師7人その見習い4人」


これだけの人数がいれば屋敷の管理は十分だろう。


「護衛の方はどうだ?」


もっとも聞きたい部分を聞く。


「護衛は40人、全員が軍役を終えた者で構成されています」

「腕はいい方なのか?」

「はい、ほかには傭兵ランクB以上が30人ほどいます」

「たしかにそれなら普通の襲撃(・・・・・)なら問題ないだろう」


俺の意図が分かったのか近づき耳打ちしてくる。


「ご安心をそのうち20名は探索者ランクBでもあります」


と言うことは暗殺者などの侵入にも対応できる。


「少なくない?」

「そうでもないさ」


セレナはすくないと感じている。


まぁ普通に考えれば一つの屋敷に100人いてもおかしくないのだが、彼らは傭兵ランクB以上だ。


通常の魔物などと戦う冒険者とは違い、傭兵は対人戦におけるエキスパートと言っていい。


なので同じランクだと舐めてはいけない。


Bランクの傭兵二人でAランク冒険者を封殺することもできた事例があるほどだ。


それほどまでに冒険者ギルドと傭兵ギルドには違いがある。


「というかこいつらは傭兵団なのか?」

「はい『幻ノ剱』という傭兵団です」


ジョアンの説明だと、Bランク以上の傭兵団らしい。


「身元は?」

「はっきりとしております、全員がグロウス王国出身ですが地方はバラバラで北生まれの者もいれば、南もいますし、王都出身者もいます」

「素行は?」

「悪くはないです、たしかに少し酒癖が悪いと報告が入っていますが、目立った騒ぎなどは起こしていません」

「理由は何だと思う?」

「それは………申し上げるなら金払いの良さでしょう、傭兵では考えられない料金を支払っていますから」

「基本給金大銀貨6枚、さらには侵入者を殺害で銀貨7枚、捕縛で大銀貨2枚だったな」


普通に考えればかなりの高額な給金になる。


奴らだって馬鹿じゃない。この地位をほかの誰かに取られないように実力をアピールし、問題行動を起こさないようにしている訳だ。


「もちろん、些細ないざこざはあるみたいですが、おおむね問題ないと判断いたします」

「……ちなみにだがあいつらが自分で襲撃者を呼び込んだとかないよな?」


外でわざと自分たちに襲撃するように仕向け、それを傍から見ればゼブルス家が襲われているように見せる。


そんなことをしているのなら即刻処罰するつもりだ。


「それもないでしょう、なにせ今のところ襲撃者は全員が捕縛されています。尋問も傭兵ではなく元からの護衛を使って情報を聞き出し処分しておりますゆえ」

「そうか」


当然ながら尋問拷問に関しては傭兵団などには一切かかわらせていないとのことだ。


総てを洗いざらい吐かせて、その中には傭兵団とのつながりを確かめることもしているらしい。


「まぁならとりあえずは問題ないな」


そこまで徹底的に調べているなら問題ないだろう。


その後、食事の時間まで館内の細かい報告をして貰う。

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