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カルス………強く生きろ

「では次にリンとクラリスだが、双方やりすぎないように以上、始め」

「………もう少し何か言ってあげるべきでは?」

「あいつらに言うだけ無駄だよ」


ラインハルトはそう言うが、あいつらほどになるといくら制限を付けても。


ドゴン!


「ほらな」


俺が合図をすると同時に、ほかの戦いでは聞いたことがない衝突音が聞こえる。


「そういえば」

ギィイン!


「なんですか?」

ドン!


「カルス達では誰が一番強いんだ?」

ドガン!


「そうですね」

ガン!


派手な戦闘音を尻目にラインハルトに三人のうち、だれが一番強いのか尋ねる。


「状況によりますが、カリン、ノエル、カルスの順番で強いと思います」

「理由は?」

「まず、カリンは強化の天才です。普通の戦闘では強化は凡庸性が高いので一番強いという評価に」

「だがノエルはカリンに勝ったぞ?」

「それはあくまで何度も模擬戦しているのでカリンの癖を知っているにすぎません、最初はカリンに惨敗していましたから」

「なるほどな」

「次点でのノエルですがこちらもさっき言った通り、空間把握能力と予測能力があまりにも高い、経験したことがあるタイプの敵であれば間違いなく封殺できるでしょう」

「ちなみにカルスの評価は?」

「………正直微妙です」


ラインハルトの説明だと、カルスのユニークスキルはノエルと同じ、と言うことはかなりの精密さが求められるユニークスキルなのだが。


「……カルス自身が精密操作とそこまで相性良くないです」

「脳筋気味だと?」

「一言でいえばそうです」


ユニークスキルと性分がミスマッチしているせいで、そこまで実力は高くないという判断だ。


「あ、でも、セレナ殿に何かを聞いてからは少しだけ戦い方がマシになっていましたね」

「セレナがか………」


セレナはリンとクラリスの戦闘を食い入るように見ている。


「まぁ好転しているなら何より」


……しかし、家の女性陣は強すぎないか?


リンはもちろん、クラリスもバリバリの武闘派だし、セレナも好戦的ではないが実力は普通にある、ノエルとカリンもラインハルトの評価通り。


「カルスが一番弱いんじゃ苦労するだろうね」

「……そうですね」


カルスへの同情はラインハルトも持っていたようだ。


なにせ仲のいい三人のなかで唯一の男子なのに、一番弱いという結果なのだ。


「それよりも止めなくていいのですか?」


再び訓練場を見ると、とんでもない荒れようだった。


リンの斬撃が地面をえぐりながらクラリスに迫り、クラリスはクラリスで袖を振るうと同じような斬撃が起こり相殺する。


そして接近戦になると、クラリスの拳をリンは受け止めるのだが、衝撃を逃がしているので一撃止めるごとに地面にひびが入る。


「あいつら、この修繕費はだれが払うと思っているんだよ」


ということで終了宣言をする。


「「え~~」」


クラリスと、なぜだか外野のセレナが不満の声を上げる。


「周りを見ろ、だれがここの修繕費を出すと思っているんだ?」


以前リンとの模擬戦で壊した訓練場だがいつも通り公費で支払おうとしたのだが、壊しすぎるという母上の一声で自腹を切る羽目になっていた。


おかげで訓練場が壊れたら毎回俺が払っている。


「金貨2、3枚だが払うか?」

「「………」」

「よろしい、では今回の模擬戦は終了だ」


と言うことで今日の模擬戦は終了した。

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