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本当の力量

ネロとラインハルトの戦闘を見て、以前のネロとの評価を変えなければいけない。


なにせ



ヒュン!


ラインハルトが切りかかるのだが、ネロは一切受け止めることなく紙一重で躱す。


「リンの『風柳』に似ているな」

「ええ、ですがアレは受け止めて、流すというわけではなく、完全な見切りと『躱す』の方に重きを置いていますね。それでいうとクラリスさんの方が似ているのでは」

「ええ、そうね私の『羽舞』に似ている、というかほぼ同じかな?」


『羽舞』は、相手の攻撃にの際に起こる風に乗るように躱す(アーツ)である。


「ふん!」


フワッ


「「「え?!」」」


ラインハルトが剣を振りぬくのだが、すぐ後にネロはラインハルトの剣の上にのっている。


(牛若丸かよ)


俺達の視点から見えていたがラインハルトの視点だと急に消えて、次には振りぬいた剣に乗っている状態だ。


それからもまるで羽のように軽やかに動き、ラインハルトの攻撃をかわし続ける。


「え!?ラインハルト様負けちゃうの!?」


カリンはラインハルトが負けると思って驚く。


カルス達はラインハルトから剣を教わっているから、余計に信じられないのだろう。


「どうだろうな」


カァン!


ネロが繰り出した一撃を的確にラインハルトは防ぐ。


「スピードで勝てないので、きちんと相手の動きを見切りに動きましたね」


リンの言う通り、ラインハルトは様々なネロを念入りに観察し、癖を見出そうとしている。


「………なるほど」


ラインハルトが何かをつぶやくと模擬戦は急速に動いて行く。


ブン!


ラインハルトは先ほどよりも大振りな一撃をで繰り出す。


「そんな大振りでは」


当然、ネロには大振りでさえ隙となる。


そんな隙を見逃すはずもなく、流れるように懐に入り、剣を振るう。


「そこ!」


だが、この動きはラインハルトの予測通りだ、そして自身で導いた答えを実践する。


「!?」

「貴方の弱点はここですね」


すぐさま切り返し、まるで重なるように剣を振るう、ラインハルト。


その剣同士がぶつかり甲高い音が上がったと思ったら。


ネロが吹き飛ばされる。


「そこまでだ」


俺は終わりを告げる。


「なにが起こったの?」


セレナがなんで、ネロが吹き飛ばされたのかよくわかってない。


「さて、ラインハルト説明してくれるか?」

「ええ、、その前にネロさんを」

「わかっている」


バベルを取り出して『慈悲ノ聖光』を使うと、ネロとラインハルトの怪我が癒えていく。


「それで説明を頼む」

「はい、まず、ネロさん、その剣のスキルはおそらく自身を軽くするもの、違いますか?」


ネロは肩をすくめる。


「その通りです」



―――――

羽毛剣(フェザーソード)

★×4


【軽キ羽】


剣と一体となる時、その身は風に舞う羽となる。

―――――


「この剣は魔力を流すと、量に応じて体を軽くしてくれるんです」


それで軽やかに躱すことができたのか。


「最終的には自然の風にすら流されるほど軽くなります」

「剣風に乗ることであの回避を実現しているのですね」


リンの言葉にネロは頷く。


「でもなんで最後はラインハルトの攻撃が当たったんだ?」

「それは簡単ですよ」


ラインハルトは何事もないように説明する。


「避ける際に何らかの方法で身を軽くしているは気づいていました、ですが私が剣を受けた時はかなりの重さがあったのです」


なるほど、攻撃する際にも軽量化を駆けているならダメージなど、ろくに入らない。


なので攻撃する瞬間だけ能力を解除する必要があるらしい。


(確かにな、大雑把だが『衝撃』=『重さ』×『速さ』の式が成り立っている時点で、『重さ』の部分が限りなくゼロに近いのであれば衝撃も無いに等しい。)


「その通りです、ですからラインハルトさんは剣が当たった時に私の剣の滑らせて反らすと同時に攻撃を加えたんです」

「そうすれば、さすがに避けられないのか」


ということで最初の模擬戦はラインハルトの勝利に終わった。

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