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ゼブルス家の戦力

「父上説明をお願いします」


ゼウラストにたどり着き、館に入るとネロを連れて父上の執務室に入る。


「急だな」


案の定、父上は仕事をせずにソファに寝転がっていた。


「………これが御当主様ですか?」


ネロも父上のだらけっぷりに言葉が出ないようだ。


「ん、誰だ?」

「お初にお目にかかります、ネロと申します」


ネロは挨拶するが父上自身は戸惑いながらこちらを見る。


なので、とりあえずグラスから雇ってほしいと言われた人物だと伝える。


「そしてこれが渡された書状です」

「ほぅ、どれどれ」


ナイフで切り取り、中身を拝見する。


「!?」


手紙を読んでいる父上に反応があった。



「バアル、中身は見てないな?」

「もちろんですよ、王命も出されたようなので」

「では今すぐ席を外しなさい」

「……わかりました」


いつものひょうひょうとした雰囲気ではなく真剣なまなざしだったので、空気を読んで退室する。


「では俺は自分の部屋にいます、何かあったら呼んでください」

「ああ、それとエリーゼも呼んできてもらえるか」

「母上もですか?」


ここで母上を呼んで、俺を退席させる理由がわからないが、とりあえず指示に従う。













父上が呼んでいることを母上に教え、俺は自室でいつも通り仕事をこなす。


『お主、いつもこんなことをしているのか?』


暇になったのかイピリアが現れて話しかけてくる。


「まぁな」


イピリアがそういいたくなるのもわかるほどの量の書類が俺の部屋に運び込まれる。


「失礼します、若様これもお願いできますか」

「……どの書類だ?」

「各村の陳情と対応、それと各町や村の人口増減の確認をお願いします」


一応はまとめられているのだが、最終チェックは俺か父上が行うことになっている。


(……ほんの少しだが魔物の襲撃が増えてきているな、それと人口も各村では減少傾向にあって逆に大きな町にはかなりの増加傾向が出ている)


金がある場所に人が集まるのは必然、つまりこの反応は正常なのだが……。


「各村の詳しい調査のために人員を派遣させろ」


せっかく村があるのに若手がいなくなりつぶれるなんてことになれば開拓した意味がない。


「ではその書類を作成しますので後程サインをお願いできますか?」

「早くしろ、あと調べるのは周囲の自然状況と魔物種類、遭遇確率、各村町の年代割合と同じく職種割合も忘れるな」

「はい、それで経費はどれくらいを」

「一つの村に大銀貨三枚、町では金貨を許可する」

「わかりました」


そういい文官は部屋を出ていく。


そして入れ違いにほかの文官が入ってくる。


「失礼します、ゼブルス家の騎士団からの要請があります」

「どれだ?」


差し出された書類を見る。


中身は練兵のための経費と訓練場の借り切り演習のために草原の貸し切り要請、回復魔法を使える者の手配が書かれている。


「第三騎士団からか」











まずは騎士について説明しておく。


この世界では騎士とは軍隊での士官階級のことを指す。


騎士として雇われると、まずは先任騎士の部隊で研修を行う。


一定の期間の研修を終えれば最初は10人の部下が配属されて活動する、そこから功績を積み、徐々に部下を増やしていき、やがて数百人規模の隊に成長していく。


もちろん歩兵から騎士になることもできなくはないが、それ相応の教育を受けている学園卒の騎士と比べると技量や知略は劣るため、昇進速度はかなり遅いほうだろう。


階級は10人の分隊の隊長から始まり、30~60人の分隊をまとめるの小隊長にまで成長し、60~250人の小隊をまとめる中隊長、250~1000まで複数の中隊をまとめるの大隊長、その先は数個の大隊が連なる連隊、旅団、師団の長となっていく。


そして最終的にそれらをすべて束ねたのが軍団長となることができる。


ただここまでくると限られた存在にしか成りあがることはできない。








そしてゼブルス家の騎士は現在約8千人ほど。


すべての兵士も含めれば20万ほどまで存在する。


ただ様々な場所に散らばっているので、一か所には多くても1万程度だ。


その中で騎士団は6つに分かれている。


まずは武術、魔術、騎乗術の優れた精鋭だけが集められた第一軍団。


歩兵を中心に構成された第二軍団。


魔術師を中心に構成された第三軍団。


騎馬を中心に構成された第四軍団。


弓兵や斥候などの役割が得意な兵士が集まる第五軍団。


そして最後に門番や町に巡回するための衛兵、街道を渡り歩き監視する監視兵といった日常に必要な兵種が集まっている第六軍団。


ただ兵士の70%は第六軍団に所属している、なので本格的に戦争などに使えるのは30%ほどだ。

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