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内からの情報も外からの情報も

そうささやくとピクリと眉が動く。


「情報の精度は?」

「かなり高い、でどうする俺と手を組むか?」


なぜ俺がアジニア皇国の皇帝をよく思ってないことを伝えたか、それはアジニア皇国の敵国からしたらかなりつながりやすい相手ということだからだ。


(これからグロウス王国はアジニア皇国の内部情報が手に入りやすくなる、だがグロウス王国の中でそれをよく思わない人物がいれば)


その人物と手を組み、アジニア皇国を陥れるのは容易になりやすい。


なので俺がアジニア皇国をよく思っていないという情報とグロウス王国とアジニア皇国がお互いに手を手を組むという情報が本国に持ち込められれば、どれだけ利益があるか


「………話を聞こう」


それから俺たちは話し合った。


まず、ムジョンの正体だが、やはりアジニア皇国に敵対する国の間者だと判明。


そしてセレナを狙った理由だが。


「アジニア皇国との国交を結ばせるのを邪魔したかった」


セレナを殺すことで、フォンレン側の目的の人物を殺し、さらにはゼブルス家に泥を塗る。


そして殺しをうまくロンラン商会、もっと言えばフォンレンに擦り付けることであわよくばこの国で裁かれることも期待したらしい。


「もともと、フシュンを暗殺するのはあらかじめ知らされていた」

「そして考えたわけだ、フォンレンがフシュンを殺そうとし、フシュンが皇帝の目的であるセレナを殺すことを」

「その通り、真っ先に疑われるのはフシュンということになるだろうですし」


まぁ形ではすっぽりと収まるな、そしてフシュンが殺された後になり、真実は闇の中に消えるということだ。


もし両方が失敗してもフォンレンとフシュンがより対立することになるだけだ、そうなればアジニア皇国の敵国はどちらにしろ得となる。


だが俺がアジニア皇国にいい感情がないことを伝えることにより、これらをする意味がなくなった。


むしろ、程よく友好を深めさせて、内情をリークしてもらえばかなりの御の字だろう








それから話し合い、結果。


こちらからはアジニア皇国とのやり取りの情報。


向こうはアジニア皇国の内部の情報を交換する手はずとなった。


ちなみに手段としてはムジョンはグロウス王国の仕入れ担当に立候補、無理でも部下を潜り込ませることになる。


そして指定した場所にて情報を交換。


「こちらとしてはいい話でありました」

「こっちもだ」


こうして俺はアジニア皇国の敵対国からもアジニア皇国の情報を得られることになった。















それから数日後、ロンラン商会が最後の挨拶にやってきた。


「それではバアル様、我々は国に戻ります、こちらで国交の手はずを整えるので、ぜひこちらでもお願いします」

「ああ、わかっている」


俺はゼブルス家の応接間でフォンレンとフシュンと話し合っている。


「もしなにかアジニア皇国の件でご入用の時は私にご相談ください、ウィンスラ子爵に言伝を頼めばこちらに届く手はずになっております」

「その時はよろしく」


まぁ頼ることはほぼないだろうがな。


するとフォンレンのそばに仕えているムジョンが耳打ちする。


「では申し訳ないですが私共はこれにて」

「無事に祖国に帰れるように願っているよ」


フォンレンとフシュンは礼をして家の前の馬車に乗り込む。


これでひとまずは騒動は終結した。

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