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はっきりとする関係

それから場所は変わり、陛下に面会していた。


「ほれ、これが書状だ」


部屋に入るとグラス殿が書状を投げ渡してくる。


「ええ、ありがとうございます」

「それにしてもかなり大掛かりな手取っているもんだな」


奥にいる陛下が声を掛けてくる。


「そこまで警戒すべき存在なのか」


陛下は鋭い視線を向ける。


「そうですね、東方諸国で台頭する最有力候補だと思っています」

「………そうか、台頭する、か」


そういうと陛下は何かを考え始める。


「まぁよい、これで今回の件は仕舞か?」

「すべてがとは言いませんが、これで一区切りでしょうね」


後は裏で動いて終わりにするつもりだ。


「では、フシュンにこの書状を渡しておきます」

「あとは自分でやるのだぞ」

「わかっています」


陛下のいる部屋を退室して、そのままフシュンが待っている部屋に向かう。










「いや、なんでいるんだよ」


俺がフシュンが待っている部屋に入るとそこにはフォンレンもいた。


「お久しぶりです、バアル様、ご機嫌はどうですか?」

「………肝が据わっているな」


さっきの謁見で俺がフシュンと繋がったのは見て取れたはずだ、なのにフシュンに同行して俺に会いに来るとはな。


「ほらフシュン、これが皇帝陛下に渡すべき書状だ」

「ありがたく」


フシュンはそれを胸元に仕舞う。


「さて、これで終わりに」

「少々お待ちください」


しようと、言おうとするがフォンレンが口を挟んでくる。


「バアル様がフシュン殿と繋がったのは理解しました」


フォンレンが俺の目をまっすぐに見てくる。


「それの意味を理解しておいでですね?」


これは暗に皇帝陛下の反感を買うということだと言っている。


「理解しているさ、それでもフシュンと組んだ方が俺としてもうまみがあるんだよ」

「そうですか、残念ですね」


少しがっかりした表情にはなるが、すぐさま表情は戻る。


「バアル様、一つお尋ねしていいですか?」

「なんだ」

「我が国は国交を交わした際に、バアル様を招待するつもりでいます、それに応じるつもりはありますか?」

「今のところは考えられない」


考えるまでもなく即答する。


「訳を伺っても?」

「理由は二つ、一つは貴国が安定していないこと」


この安定には二つの意味がある。


一つ目はフォンレンとフシュンの関係を見れば、国の上層部が統一化されていないこと。


更には、東邦諸国は戦乱状態にあり、いつ戦争が始まってもおかしくないほどだ。


そんな状態の国に行きたいとは思えないだろう、たとえ皇帝が正式に招待してもだ。


「なるほど、ではもう一つの理由をお聞かせ願いますか」

「皇帝のことをよく知らないからだ」


当然ながらどんな陛下かわからない以上すぐさま行くのはためらわれるからだ、下手すれば外国人は排除するという方向性すら持ち合わせていそうだ。


日本でも外国人のことを受け入れられない人物など数多くいた。


「もっともな理由でしょうね、ではそれが解決した際には我が国に、ひいては皇帝にお目見えしてもらえますか」

「それならばこちらとしても異存はない」


ということで俺たちがアジニア皇国に行くのはかなり先のことになるだろう。
















それから政務に関する話を少しし終わると二人は城を出る。


「さて、リン、これから少しだけ働いてもらいたい」

「私だけですか?」

「ああ、ほかの人物には他言するな」


俺は一つの指示をリンに与える。


「―――了解しました、ですが安全は確かなのですか?」

「ああ、俺も(・・)動くから大丈夫だ、よく見てやれよ」

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