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揺さぶりの尋問2

「若、あんな揺さぶってどうするんですか?」


ルナがそういってくる。


「「???」」


リンとセレナはなんのやり取りをしていたのかはっきりとは理解していない。


「とりあえず一つの仕込みは終了した」

「てことは、まだなんかやるんですか?」

「ああ、次はフォンレンにも聴取を受けさせる環境を整えてくれ」

「はぁ~」


ルナはしんどそうな顔を浮かべながら部屋を出ていく。


「バアル様、全容を教えてもらったりは……」


当事者であるセレナは不安そうに聞いてくる。


「安心しろ悪いようにしない」


((そんな顔で言われても))


バアルは自身が黒い笑顔を浮かべていることに気付いていない。










翌日、同じようにフォンレンを呼び出す。


「お久しぶりです、バアル様」

「そっちもな」


向こうは俺の肩書を知っているのでここにいることに疑問を持たない。


それとだが、今回はセレナは置いてきた。


「それで、今回はどのような用件で」

「先日、スラム街で戦闘が起こった事はご存じですか?」


ここからは昨日と同じようなくだりが始まる。


「フォンレン、ロンラン商会外部仕入れ担当。今回王都に入った主な目的は魔道具の仕入れと皇帝からバアル様に書状を送るため、商会の商品を売りに出すの三つで合ってますか?」

「はい、そのとおりです」


すると後ろにある像が反応する。


(やっぱりフシュンを殺す目的もあったのか)


当然ながら、フォンレンが自らそれを告げることなどない。


「では質問です、先日スラムで戦闘があったのはご存じですか?」

「いえ、ですが日常茶飯事ではないのですか?」


像の反応アリ。


「我々の聞き込み結果、その場にはフシュンと思わしき人物がいました。彼を殺す目的で暗殺者でも放ちましたか?」

「そんなことはしないですよ、それにしてもすごい人ですねそんな直球で聞くとは」


それからルナにいろいろ言っているが後ろの像が反応している。


(やはり、フシュンを襲ったのはフォンレンの差し金、残る疑問はセレナを襲った奴らだな)


「では、スラムの件には心当たりはないと?」

「そのとおりです」


当然、俺に見えているということはルナにも見えている。


それなのに淡々と作業のように詰問していく。


「では、その時刻は宿の食堂で食事していたのですね?」

「はい、長旅で疲れている部下たちのために食堂を貸し切って宴をしました、その日の給仕に話を聞けば無実が証明されますよ」

「わかりました、では次に―――」


それから今日にいたるまでの行動を聞く。


「昨日はアクリ商会で帰路に必要な食料を買い込んでいました」

「へぇ~帰るのか?」

「はい、7日後には」


と言うことはできるだけ早くに動かないといけないな。


「ではバアル様、こちらは終わりました、あとはそちらの番です」

「ああ、ご苦労」


と言うことで話し相手がルナから俺に代わる。


「じゃあ早速だが、一つ聞こう、少し前にセレナが襲われたこれについて何か知っているか?」

「え?」


驚いた反応があるが、演技の可能性がるのでこれだけでは判断できない。


「聞くところお前がセレナと会話した後に襲撃に会った、すぐあとらしいが、まさかお前が手引きしたんじゃないだろうな?」

「まさか!?私との会話内容をセレナさんから聞いているなら、ありえないとわかりますよね?!」


俺は心の中で残念に思う。


『審嘘ノ裁像』は問い掛けにに「yes」か「no」のどちらか、言い切る場合の二つの判定しかできない。


もっと言えば断定の言葉にしか反応できない。


「さぁな、本当にそうなのか、それとも疑惑が及ばないためにあんなことを言ったのかわからんからな」

「私はセレナさんを襲わせてはいません」


後ろの像を見るが反応がない。


(となると、リンの言う通り本当に通り魔か何かなんだろうか)


「それもそうなんだが、少しタイミングが良すぎてな」

「たしかに、私がセレナさんに頼み込んだ後にそんな襲撃を受ければ疑いたくなるのも分かります」


フォンレンはそういって理解を示す。


「ですが、誓って私はセレナさんに危害を加えようとなど思っていません」


これには像が反応する。


だがこれの判断は難しい。


力ずくでも連れて行くことが該当してしまうからだ。


「じゃあもう一度聞くが、セレナを襲ったのはお前じゃないんだな?」

「はい」


後ろの像を見るが反応がない。


「これですべてですか?」

「ああ、ご苦労」


こうしてフォンレンとの会談は終了した。


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