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これからの対策

俺達は声を揃えて言う。


もちろん最低限の部下はいるだろうが、そこに暗殺者などをまぎれさせることはできない。


「なるほど、ですが現地で暗殺者を雇ったのでは?」

「仮に雇ったとしてもこの国の暗殺者なら公爵家に手出しはしてこないだろう」


そう言った凄腕の暗殺者ってのはほぼ全員が貴族に雇われている。


仮に雇われていない暗殺者でも公爵家、もっと言えば俺の部下を暗殺する危険性は把握している。


「だから雇われたという線も低い」


裏の世界にも秩序というものが存在する、もし公爵家に手を出せばこの王都の裏の世界に公爵家の一斉粛清がはいる。


どう考えてもデメリットの方が多いだろう。


「さてここまで説明すれば、悩んでいる理由もわかるだろう?」



フシュンを襲った暗殺者がフォンレン陣営だとする、そしてセレナを襲ったのが普通ならフシュン陣営だと予想する。


だがフシュンにはそんな手駒を持っていなく、フォンレン本人ならいざ知らずセレナを標的とする暗殺者を雇うことはできない。


ならばセレナを襲った暗殺者はどの陣営に属しているのかがわからなくなったのだ。


「だから予想がつかないんだよ」


フォンレン陣営の離反なのか、それとも元々フシュンなど暗殺する意図がなく全く別の組織なのか、それとも本当にフォンレンがセレナを殺そうとしたのか、考えれば考えるほど可能性が出てくる。


「それで悩んでいる訳ね」

「ああ、この問題を放置するのは危険そうでな」


現にセレナが襲撃に会っている。


そして貴族のメンツ的に襲撃した奴らを探し出して罰しなくてはならない。


「あぶり出しに効率的なのは、セレナを餌にすることだな」


どこの陣営でどんな狙いを持っているか知らないがセレナを狙ったのはゆるぎない事実、うまくやればもう一度おびき出せる。


「だけど、一度失敗したんだから、そうそう姿を現すとは思えないわ」

「ああ、だからうまく釣り上げるんだよ」


















「あ~~シャバの空気は美味しいぜ!」


次の日、セレナを迎えに行くと変なことをつぶやきながら出てくる。


「なんですかそれは?」

「あ、いえ、言ってみたかっただけです」


思わずノリで言っただけのようだ。


「セレナ早速で悪いが、話がある、そのまま俺の家まで来てもらうぞ」

「は、はい」


俺の雰囲気を感じ取ったのかセレナは少し緊張する。













「さて、まず質問だ、なんでセレナが襲われたのか理解しているか?」

「え?通り魔じゃなかったの?」


タイミングを考えて、それはないだろう………


「襲って来た奴らは何か言っていなかったか?」

「え、え~~………そういえば『俺たちのために死んでくれ』って言ってたような」


それを覚えているならなんで通り魔って発想になるんだよ。


「その言葉の意味の通り、お前を殺すのに目的があったんだよ」

「目的………私を襲って何になるんですかね?」

「なにかあるんだろう」

「なにか………なんですかね?」


セレナの能天気さに思わず、気が抜けそうになる。


「あるだろう、少し前に接触してきた存在が」

「…フォンレンさんですか?」


その通りと、俺たち三人は頷く。


「まず、俺が知りえた情報だが―――」


セレナにフォンレンとフシュンの確執、アジニア皇国の現状、スラムでの出来事、暗殺者の動向を教える。


「つまり……アジニア皇国の争いに巻き込まれている訳ですか?」


コクン×3


ようやく、セレナも話を飲み込み始めた。


「だから、また襲撃される可能性がある」

「そんな!?」


もちろんすぐにとはいかないが、一度目があったんだ二度目があると考えてもおかしくない。


「まぁだから取れる手は3つほどだな」

「なんですか?」

「まず一つ、当分の間ゼブルス領に戻り、そこにいること、もちろん学園は休んでもらう」

「休学するのはいいんですが、進級はどうなります?」

「もちろん留年してもらう」

「じゃあお断りです」


セレナは学園にこだわりがあるようで断るのは予想で来ていた。


「二つ目が登下校に護衛を付けること」


そうすれば向こうも手出ししにくい。


「だが、これはあくまで手出ししにくいだけだ、護衛の実力以上の襲撃者が来たら何の意味もない」

「それ、選択肢に入ります?」

「普通は入らない、ある程度安全を保障する案というだけだ」


肩をすくめて、俺ならこの選択肢を取らないと言う。


「三つめが、セレナが強くなることだ」

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