表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
296/470

檻の住み心地はどうだ?

それから数日後、俺の自室にルナからの報告書が送られてくる。


(あげた情報は上手く利用したようだな)


俺が上げた情報は3つ。


・襲撃者の際にフシュンという人物がいたこと。

・襲撃者がジュウという武器を取り扱っていたこと。

・去り際に何かをやらかすことをつぶやいていたこと。


だ。


報告書には、王都にいるロンラン商会の構成員、立ち位置、どのような経路でグロウス王国に潜入したのか、そして現在どのような行動をしているのかだ。


(やっぱりフォンレンとフシュンは敵対しているな)


フシュンはグロウス王国とのやり取りを担当し、フォンレンは当然ながら商売を行っている。


そして最後にこのような事が書かれている。


『ロンラン商会会長が今回、この国に来たのは反政府勢力の排除が目的と判明。段取りとしてはわざとフシュンを泳がせ、自身の暗殺に貿易禁止品であるヒナワジュウと言われるものを持ち出したことを証拠に殺害を計画していた模様。』


これを見てなるほどと思った。


(自身を餌に国にとって害ある物を選別し排除か)


合理的だと判断する。


そして最後に気になる一文が書かれている。


『ただ一点、スラムでの戦闘以降ロンラン商会は別のことに気を取られている模様、しかもゼブルス家を重点的に調べていることが判明』


(標的をフシュンから俺に変更した?)


断言はできないが理由はセレナにあるだろう。


そして少し思考する。


(おそらくフシュンの件はおまけ。最初からイドラ商会の製作者と接触するのが主目的)


理由は言わずもがな、俺が流している魔道具だ。


(セレナは気にしなかったみたいだが、どうやら例の皇帝は同じ転生者だとうすうす気づいているだろう)


どう考えても前世に出回っていた家電をモデルにしている、気づくものは気づくだろう。


そして笑みがこぼれる。


(本当にセレナがいてよかったよ)


本来なら製作者である俺を疑うがあの書状の反応を見せたことでフォンレンの興味が俺からセレナに移った。


(そしてゼブルス家、もっと言えばセレナを監視しているんだろう)


まぁ俺の関係者と言うことから強引なことはしないと思うのだが。


「バアル様、大変です!!」


血相を変えた、リンが部屋に入り込んでくる。


「どうした、セレナが捕まりでもしたか?」


前世の記憶があるにもかかわらずどんくさい部分があるのでころっと騙されそうだ。


「知っていたのですか!?」

「……………は?」











「バアルざま~~~」


牢屋の中でセレナが檻に張り付きながら涙を流している。


「さて、弁明を聞こうか」

「!?私は嵌められたのです!!」


それからセレナが捕まる経緯を聞くことになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ