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どうしようもないことはいくつもあるさ

つまりはこいつらは反政府組織と言うことになる。


「先代の頃は民に多額の税を敷いていました、ですがそれはなにも私利私欲のためではありません。東邦諸国では国境近くで絶えず戦争が起きています、そのための防衛費で仕方なくそうなってしまいます」


まぁそうだろうな、戦争はかなりの経費が掛かるからな。


「陛下は民に重税を悔いておられました、ですがこれはどうしても必要な税なのです、ですがそのことを民は理解しておりませんでした」


なるほどな。


「そこで現皇帝は不思議な技術を持ち出し、あのヒナワジュウなる武器を作り出し、革命軍を作り出しました」


悔しそうに机を殴る。


「現皇帝が民のために立ち上がり我々を打倒し、より良い治世を築き上げていたなら我々も納得して命を国に捧げられます」


だがその表情には悔しさと憤怒が入り混じっている。


「ですが!先代の頃と何も変わっていないではないか!ジュウとやらが配備され戦線はよりよくなっているがそれだけだ!税も軽くならん!これでは何ために陛下は死んだのだ!!!!」


声を荒げるほど許しがたいのだろう。


「それでこの度の暗殺に踏み切ったわけですね」

「さよう」


俺とアルガは淡々とその出来事を聞いている。


別段この事を聞いて感情移入などしないからだ。


「一つ疑問なのですが、なぜあなた方は死んでないのですか?」


革命がおこったのであれば連座で首がさらされるのが普通だ。


この怒り方からして先代皇帝にかなり近しい位置にいたのだろう、なのになぜだかそのまま生き残っている。


「革命をしたのは全員が平民で協力した貴族も数人ほどです、そんな彼らが今までやってきた仕事をできると思っていますか」


この説明で納得だ。


彼らは邪魔だが切り離すことができない立ち位置にいるということだ。


「我々も、もし国がより良い方向に傾いて行くなら、何もせず坦々と仕事をこなすつもりだった」


だがこの場に来ているということはそうはならなかったのだろう。


「なので我々はフォンレンの手伝いという名目で国を出てきています」

「そしてその国の裏の組織を使い、フォンレンを暗殺する」

「はい」


言い訳は道中に盗賊に襲われたとでもいえば問題ない。


(………なんかできすぎていないか)


今までの話を聞いていて少し違和感を覚える。


といっても彼らに対してではない。


(俺がもし現皇帝の立ち位置にいるとしよう、となると本来目障りなこいつらは早めに処分してしまいたいはずだ、だがこいつらにしかできない仕事があるため仕方なく生かしてやっている)


けどそれは言い返せば、どうしようもないことをした場合は処罰できるということになる。


(わざと泳がせて隙を見せるのを待っていたならどうだろう)


今が処罰する絶好なタイミングではないだろうか。


「…………馬鹿どもが」


センサーを確かめた結果を見て出た言葉だ。


「!?どういう意味だ!」


フシュンは皇帝の敵討ちを馬鹿にされたと思っているのだろう。


「こういう場に来るときはもう少し用心しろ」


この言葉でアルガも理解できたはずだ。


「外には組の者がいますが?」

「ああ、けど抑えられていない」


立ち上がりこの部屋から出る。


「この部屋に居ろ、すこし外を片付けてくる」

「よろしくお願いします」


部屋を出て騒音のする方に向かう。


ピシュン


廊下の奥から音が聞こえると同時に体の一部に強い衝撃が起こる。


「!?」

「そこか」


驚いてある隙に距離を詰めて顔を鷲掴みする。


「へぇ~これがお前の武器か」

「っ!?」


グギャ

「――――――!!!!――――!!!!」


右腕を握りつぶし掴んでいる物を手に取る。


(どう考えても拳銃だな)


手に持っているのはサプレッサー付きの拳銃だった。


「ぐっ!!」


何とか拘束を解こうと暴れるがその度に出力を上げて頭を握りつぶすギリギリで締め上げてやる。


「さて、お仲間は向こうか」


拳銃を壊し、来た道を戻り広間に出る。

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