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遠い国からはるばる………まぁそうだよな

「客人?」


家でのんびりしていると、来客が来ているとリンが告げる。


「誰だ?」

「わかりません、ただ紹介状をお持ちでした」

「とりあえず通せ」


客人のために準備し終え、今に向かうのだが。


「なんでお前もいる?」

「いいでしょ、仲間外れはよくないわ」


クラリスが隣でお茶をすする。


「他言無用だ」

「もちろんよ」


階段を降りると、歴史の教科書で見かけた漢服に似た衣装の男がいた。


「初めまして、ロンラン商会のフォンレンと申します」

「イドラ商会のバアル・セラ・ゼブルスだ、それで紹介状は?」

「こちらに」


フォンレンが出してきた紹介状をリンが受け取り俺に渡す。


「………ウィンスラ子爵か」


グロウス王国の最南部に位置する子爵領。


この領地の海はちょうど暖流と寒流がぶつかる場所で魚が豊富に取れるのが特徴だ。


王都で使われている魚介のほとんどがこのウィンスラ子爵領の魚介を使用している。


だから子爵にもかかわらず伯爵に劣らないほどの資産を持っていると聞く。


「ちなみにだがウィンスラ子爵とはどのような経緯で知り合ったんだ?」

「実はわたくしめは船を使い他国へと渡り商いしております、そして際に数ある補給地としてウィンスラ子爵の港を使わせてもらっていまして、その伝手で」

「なるほどな」


経路は把握した。


「それで俺に面会しに来た理由は?」

「実は以前、ウィンスラ子爵からイドラ製の魔道具を譲り受けたのですが、あまりにも良い物でしたのでできれば多く買い込みたいと思いまして」


ニコニコしながらそう言うが、それだけなら別段面会する必要はない。


なにせこういった取引は商店に行き話を付ければいいだけなのだから。


(これが仲介料が入っている場合ならわからなくもないがな)


仲介料が入っている場合は大量に扱えば扱うほど出元から購入した方が利益が出やすい。


だが、生産も販売もイドラ商会のみで行っているのでわざわざ面会するほどでもないはずだ。


(これが安くしてくれっという値切り交渉なら話は分かるが)


「それならイドラ商会に直接掛け合ってくれ、俺はこう見えて多忙なんだ」


とりあえず次に出てくる言葉を待つ。


「もちろん、バアル様の貴重な時間を割いてしまい申し訳なく思っております、ですが、わたくしめもそれ相応の理由がありまして面会させてもらいました」


すると紹介状とは違う手紙を渡してくる。


「これは?」

「わが主からの書状です」


乱雑に書状を開く。


ピクッ


その様子から若干のイラつきがあることが見て取れた。


(乱雑な扱いが快く思わない人物からか)


「もう少し丁寧な扱いでお願いいたします」

「知ったことじゃない」


公文書の類じゃないからな、それに急遽押し寄せてきたのはこの男のほうで普通はしかるべき手順で交渉するべきだ。


「この書状は主がイドラ製の魔道具を褒め称えるものです」


フォンレンの言う通り、内容は魔道具を褒め称える文が長々と書かれている。


そして最後に書いた本人のサインには


『アジニア国第11代皇帝ユート・シェン・アジニア』


と書かれている。


「つまりお前は国の大使というわけか?」

「いえ、そのようなたいそうな役割ではありません、ただ陛下が魔道具に大いに魔道具に興味を持たれまして、なので製作者であるバアル様を国へご招待したいとゆう旨をお伝えしに来た次第です」


「………」


考えをまとめる。


(興味を抱いた、それが便利さや手軽さといった性能面ならいい、こういう話は何度か来ていた……だがそうではないのではないのだとしたら)


なにせジュウという物を作り出した張本人、転生者である可能性が高い。


俺は書状をもう一度よく観察し、文章のふちを見る。


そして気づく


(どう考えても、前世の文字だよな……)


ふちの部分に文字が隠されていて














『あなたは転生者なのか』

『Are you Reincarnated person?』

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