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使い勝手のルナ(パシリともいう)

クラリスの模擬戦騒ぎの後、無事平穏な生活を過ごすことができている。


「何用だ、アルバ」


学園が終わった後、久しぶりにキラでアルバに面会していた。


「お久しぶりです、総督」


夜月狼の隠れ家では、アルバが多くの書類を見ている。


基本的にはすべての事務をアルバに任せており、俺は武力が必要な場合のみに動くことになっている。


まぁそれでも去年の夏頃に王都内の反抗的な勢力はすべて排除したので、ほとんど動くことがなく、月一で報告を受ける程度だった。


「それで今回は何があった」


今回は何やら報告があるとアルバに呼び出されている。


「実は少し前からおかしな集団が王都に出てきました」

「……同業者か?」

「いえ、違います」


俺達の生業はみかじめ料、情報売買、貴族からの汚い依頼であった。


そんな中、同業者じゃない奴らがちらほらと見かけられていと報告があったみたいだ。


「目的は分かるか?」

「わかりません、ただ、かなりの組織の大きさなのは分かります」


詳しく聞くと、どうやら護衛として登録している店で似たような人物がある人物の情報を集めているのを聞いたらしい。


「ちなみに、その人物とは?」

「キラ様もかかわりが深い人物ですよ」

「なに?」









「バアル・セラ・ゼブルスです」












翌日、授業中に昨日のやり取りを思い出す。


『なぜ?』

『そこはわかりません、ただゼブルス家関係というよりもイドラ商会の会長ということで聞かれていたみたいです』


ということでゼブルス関係ではなく、イドラ商会を標的にした組織だと推測できる。


(国内………じゃないな国外の組織だな)


3年前の魔道具事件にて俺は陛下からお墨付きをもらった状態になっている。


その状態なのにわざわざ手を出してこないと思う。


だだ、ほんとうに馬鹿な貴族がやらかしていないことが条件だが。


その点、国外の誰かが魔道具の詳細を知るために諜報員を放ったと考えればそこまでおかしい事じゃない。


(一応、確かめる必要があるな)


脳内で裏の騎士団に動いてもらう算段を付ける。









「ということで、最近イドラ商会から不審な報告がある。だから調べろ」

「し、調べろって言われましても」


俺はリンを連れて裏の騎士団の窓口場所でルナに面会している。


「あ?」

「ひっ、ですがそれだけの情報ですと」

「それをどうにかするのがお前たちだろう?」


作り笑いをしてやるとルナの顔から血の気が引いて行く。


「せめてどんな経路で不審な報告があったかだけでも」

「それぐらいなら教えてやろう」


放っている刺客からなぜだが裏の世界の店でよく俺の名前が出てくること、そしてそれがゼブルス家ではなくイドラ商会関連で辿ってきていることも伝える。


「さて、じゃあ動いてくれるかな」

「いえ、その、今は休暇なの」

「動くよな?」

「………はい」


渋々とルナはフラフラと立ち上がり店の裏に戻っていく。


「若、もう少し優しくやったらどうです?」


料理店の店主(裏の騎士団関係者)であるザガがルナの後姿を見ながら言ってくる。


「これがお前たちの仕事だろう?」

「それを言われると反論できないですがね」

「それにアレは、いい加減な風に見えるが仕事は真面目にしているから重宝しているさ」


変に踏み込んでこず、仕事をしてくれる。


「このことは報告しても?」


裏の騎士団からしても俺は重要な魔道具を供給する重要人物だ。


そんな人物の周りで何かが起こっているとなれば報告し、動くのだろう。


「ああ、自由にしろ」


用が済んだので俺達も戻る。

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