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………はぁ~またかよ

「………え?」


オルドは固まる。


「なによ?」

「それだけか?」

「何よまだほかに何か欲しいの」


何かおかしいのですぐに動けるように二人に近づく。


「違うだろう!本来なら(・・・・)!!!」

「そこまでだ」


クラリスは気力がなくなったのか眠るように気絶していく。


オルドの肩をつかみ、止める。


「邪魔すんな!!!」


裏拳が飛んでくるので止める。


ぎしっ


(重いな)


『戦鬼化』したオルドの拳はぎりぎり受け止められるかぐらいだ。


「違う!違う!なんで、思っていたものと違う!!!!!」


俺のことは眼中になくクラリスに近づこうとする。


さすがにこれ以上はまずいので俺もユニークスキルを発動させて強引に動きを止める。


「放せ、殺すぞ」


オルドが濁った瞳で見据えてくる。


「やってみろよ、雑魚」


ブン!!!


掴まれていないほうの腕で殴り掛かってくるが、即座に腕を放し逆に蹴り吹き飛ばす。


「がはっ!?」


とりあえず距離はとれた。


その間にクラリスの容態を確認する。


(気を失っている、腕に過度のダメージあり、たぶんだが内臓にまでダメージが出ているだろうな)


クラリスの体を確認しながら診断する。


「仕方ない『慈悲ノ聖光』」


バベルを取り出し、クラリスの傷を癒してやる。


ダッダッダッ


「オラ!!」


『慈悲ノ聖光』は無差別の回復させる(アーツ)、なので吹き飛ばしたオルドすらも回復させてしまう。


「させません」


キィン


声とともに澄んだ金属音が聞こえる。


「縛っちゃって!」


すると少し離れた場所からもう一つの声がする。


「くそがっ!!!」


オルドは周囲の土が触手となり雁字搦めにされる。


「リン、クラリスに治癒を」

「はい」


リンがそばによると、腕輪である『ユニコーンリング』が輝き、クラリスの傷が消えていく。


「セレナご苦労」

「はい!」


セレナは精霊魔法を維持してもらいオルドを拘束してもらう。


「さて、どういうことか事情を聴こうか?」

「お前か!お前のせいでシナリオ(・・・・)が滅茶苦茶になっているのか!!!!」


この言葉を聞くと同時にセレナと俺の動きが止まる。


「セレナ?」

「……もしかして」


一つの可能性に行きつく。


「おい、話を聞かせてもらうぞ」

「誰がお前なんかに!」

「ちょっ!?」


セレナが驚いている中、俺は静かに額に手を当てる。


「なんだ」

「『放電(スパーク)』」


醜い悲鳴が訓練場に響き渡る。


「さて、話してくれるかな」

「だ、だれが」

「『放電(スパーク)』」


もう一度電気を流してやる。


「今度はどうかな?」

「はっ、はなすこ」


拒否しそうだったのでもう一度流してやる。






これらのやり取りを10回ほど続けるとようやく話してくれるようになってくれた。


「で、なんでこんなことをした?」

「………」

「もう一度やるか」

「!?待ってくれ、話す!話すから!!」


それから『信じられないと思うけど』と続けながら話してくれる。


「俺は前世の記憶をもっている」


思わず額に手を当てることになった。



「信じられないのはわかっている!だが信じてくれ!本当なんだ!!!」

「とりあえずすべてを話せ、それからだ」


その後、とあるゲームをしていると死んで神と呼ばれる人物にあったこと、代償を払いユニークスキルをもらったこと、そして転生したこの世界がゲームの世界だと分かったことを話す。


「で、本題、なんでクラリスに話しかけた?」

「……」

「言いたくないのならもう一度」

「!?言う、言うから!!」


クラリスに勝負を挑んだこと、それは一言で言うなら欲情だ。


「本来ならチュートリアルが終わって旅立った後にクラリスに出会うんだ。そして勝負して勝つと仲間になる、そして……」


オルドは言いどもる。


だがその反応からどんなことになるかは大体予想がつく。


「それで、クラリスを仲間にしたくてあれだけ勝負を挑んでいいたのか?」


静かに頷く。

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