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異常な執着

それからもオルドはクラリスに突っかかるようになったのだが。


クラリスが何かを返すと、そのたびにフリーズしたかのようになる。


「あいつ、ほんとうになんなの!?」


毎回毎回、意味もなく突っかかられているクラリスは怒り心頭だ。


「ねぇ、あなたの権力であいつを消すことってできない?」


ついにはこのような言葉が出てくるまでだ。


「無理だ、というか下手に処罰しにくくなったのはお前の父親のせいなんだぞ」


アークたち5名に関してはノストニアの先王が顔を覚えているため、処罰しにくい。


「なによ、婚約者が困っているんだから助けないさいよ」

「そういわれてもな」


する理由がない。


「クラリス!」


すると再びオルドが現れる。


「げっ!?」


クラリスも嫌そうな顔だ。


とりあえず彼女を預かっている身としては少し文句は言っておこう。


「おい、オルド」

「なん…ですか」

「いい加減、クラリスに付きまとうのはやめろ、どう見ても困っているだろう」

「だが、俺はクラリスに実力を認めてもらわないと………」


オルドはクラリスに認められることに強い執着があるようだ。


「クラリス、とりあえず、実力は認めているんだよな?」

「………実力だけならね」


そういわれると嬉しそうにしている。


「じゃあ勝負してくれ」

「だからなんでそうなる?」

「………これ以上付きまとわないならいいわよ」


俺が断ろうとするとクラリスがそういってくる。


「いいのか?」

「こうでも言っておかないと、付きまとわれるでしょう?」


クラリスの言う通り、ここで遺恨なくはっきりとさせればいいのだが。


「はぁ~じゃあ放課後、訓練所を借りて模擬戦を行う、それでいいか?」

「ああ!」

「そしてその勝負を境に用事もないのにクラリスに近づくなよ」

「……ああ」





ということで放課後、担任に許可を取り訓練場を借りる。


「じゃあ、もう一度確認する、オルド、これが終わったら用もなしにクラリスに近づくなよ」

「ああ!」


オルドはノストニアでの報酬でもらった籠手をはめて戦意を上げている。


「クラリスも気をつけろよ」

「ええ」


両者が十分な距離を取ったところで始まりの合図を上げる。











「ではこれより模擬戦を始める、もし殺しに発展しそうな場合は止めに入るからな」


万一のために反対側にリンとセレナを配置し、『始め』と告げる。


「『刃布の舞服』」

「『戦鬼化』」


ともに即座に(アーツ)を使用する。


クラリスは衣装が代わり、オルドは全身から赤いオーラを発する。


「はぁ!」

「ぬん!」


クラリスの袖がオルドを切り裂こうとするが、オルドは真下をスレスレで滑り込むと両手に地面を着けると顎を狙って蹴りを放つ。


「くっ」


振るってないほうの腕でガードするのだがクラリスは衝撃を受け止めきれずそのまま吹き飛ばされる。


「痛いわね!!」


今度はクラリスは独特の構えをとる。


「『黄ノ演舞』」


クラリスの衣装に黄色の文様が描かれていく。


「しゃ!」


オルドは真正面から突撃をかける。


「ふっ」


袖を縦に振るうが、オルドはそれを大きく回避し、クラリスに再び殴り掛かる。


「っ~~~~」


クラリスはまた腕でガードをする。


(アーツ)が発動してない?)


本来なら『赤ノ演舞』同様何かしらの効果が表れてもいいのだが。


(運がいい?それとも知っていた?)


(アーツ)の内容を知っていたのならあの対応も納得だが、俺も初めて見る技をオルドが知る機会などはないはずなのだが……。


ヒュン!ヒュン!


何度も袖を振るっているが、すべてを大げさに回避し、カウンターを決めていく。


「っ、なんでよ!!」

(あ、バカ)


思わず頭に血が上ってしまったのだろう。


大きな隙を見せてしまった。


「『鬼王拳・破』」

「っ!?『羽舞』」


(アーツ)が発動されたと同時に大きく砂ぼこりが舞いあがる。


砂ぼこりが収まると吹き飛ばされて動けないクラリスと、いまだに赤いオーラを纏っているオルドがいる。


「そこまで、勝者オルド」

「よしっ!!勝った!!」

「げほっ」


審判の役目として勝敗を告げる。


「はぁ、負けた」


クラリスは楽な体制になり寝転ぶ。


「ああ、大丈夫だ、クラリスにはまだまだ伸びしろがあるぞ」

「そう………ありがとね」


勝算を受け取り綺麗に終わった………はずなのだが。


「………え?」

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