想いは力に
「そういえば、あのステージの宝箱には何があったんだ?」
するとラインハルトは懐から何やら宝石のような石を取り出した。
「これなのですが我々はモノクルを持ってないので」
てことで再度モノクルで鑑定する。
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付喪神の宿り石
★×7
【具ニ力ヲ】
付喪神が宿る石。器となる武具や道具に宿らせると、その道具に歴史や思い入れがあるほど強化される。
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このような結果になった。
「………リン」
「何でござるか」
「ほいよ」
「っと、え?」
「その刀に使え」
思い入れや歴史が強化につながるならリンが母から譲り受けた家宝だ、この場では一番効力を発揮してくれるだろう。
「ですが、すでに刀は」
鞘から抜くと刃がボロボロと落ちていく。
「なので、これは取っておくのがいいでござる」
石が投げ返され、そうは言うが。
「…現状を見ろ、いまだにダンジョンは続いている。なら少しでも戦力を整えなければいけない、だったらもったいないと感じている場合ではない」
そういい、リンにまた投げ返す。
「…」
「ほら」
「かたじけない」
リンは刀を抜き石を押し当てる。
すると石は煙になり刀に吸い込まれていく。
吸い込まれた刀は柄の綻びていた糸が勝手に動き、綺麗な状態に戻る。
刃は根元からエメラルドの紋様が描かれていく。
そしてひび割れた部分は徐々に修正されてきている。
―――――
宝刀“空翠”
★×8
【刀鋭】【風迅】【嵐撃】【自動修復】【所有者固定】
母親が娘の安全を願い授けた風薙家の宝刀。付喪神がついたことにより、先祖から大切にされた思いが力となり刀を強くした。
―――――
モノクルで確認すると宝刀にふさわしい物となっていた。
「これが…」
リンが手に持つと刀の紋様の部分が淡く光る。
おそらくこれが所有者固定だろう。
試しに俺とラインハルトが持ってみたが紋様は光らなかった。
完全にリンの所有物になったんだろう。
そうこうしているうちに刀の罅は無くなり戦闘にも使えるようになっていた。
それと二人の状態も確認する。
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Name:ラインハルト・ガルリオ
Race:ヒューマン
Lv:37
状態:普通
HP:271/392
MP:233/233
STR:33
VIT:36
DEX:21
AGI:29
INT:20
《スキル》
【聖剣術:8】【槍術:5】【光魔法:4】【闇魔法:1】【身体強化:14】【威圧:7】
《種族スキル》
《ユニークスキル》
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ラインハルトについてはさほど変わってないようだ。
(これでも騎士の中では有望株なんだがな)
俺のステータスと比べるとなんだかなと思ってしまう。
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Name:風薙 凛
Race:ヒューマン
Lv:28
状態:普通
HP:215/524
MP:311/614
STR:38
VIT:29
DEX:44
AGI:48
INT:24
《スキル》
【抜刀術:48】【槍術:8】【風魔法:13】【身体強化Ⅳ:2】【悪路走破:14】【威圧:5】【縮地:1】
《種族スキル》
《ユニークスキル》
【暴嵐の風妃】
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こちらは相当ステータスが伸びていた。
だがやはり俺のステータスと比べるとそれなりに劣ってしまう。
(今度二人に効率的なステータスの伸ばし方を教えてやろうかな)
そんな考えをしていると次のステージにたどり着いた。
俺たちは互いに見合い頷きあう。
扉を開けると中は祭壇のような形になっていた。
そして中心には三面六臂の鎧武者がいた。
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Name:
Race:戦鬼武者
Lv:34
状態:臨戦態勢
HP:950/950
MP:540/540
STR:68
VIT:72
DEX:65
AGI:49
INT:17
《スキル》
【武術:38】【感覚共有:15】【剛腕:12】【硬化:23】【戦鬼化:20】【自動回復:25】
《種族スキル》
【常在戦場】【傷は武士の誇り】【三鬼化】
《ユニークスキル》
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