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精霊王の祝福

(………………案の定、俺以外は場に飲まれているな)


ここにいる全員が踊り子と下りてくるアルムたちに集中している。


そして踊りと音楽が終わると同時にアルムたちが広場の高台に上り宣言する。


「精霊の子らよ!!これより継承の儀を行う!!!」


風の魔法で拡散された声が響き渡ると同時に歓声が沸き上がる。


「それではこれより三日、我が息子ルクレ・アルム・ノストニアが神権を授かるために神樹の祭壇を廻る!」


すると陛下の背後に光輝く鳳が現れる。


「精霊王輝鳳(ベンヌ)、皆に祝福を与えよ」


鳳はその言葉を受けると白い翼を羽ばたかせながら空を舞う。


(なんだ?)


輝鳳(ベンヌ)が空に飛んでいくと空に光の粒子が漂い始めた。


「クラリスこれは?」

「ああ、精霊王の祝福よ」


クラリスの話によると、精霊王とは森王の契約している精霊のことを指す。


そしてこの粒子は精霊王が消滅するときに発生する魔力の塊だとか。


「え?精霊王って消滅するのか?」

「そうよ、正確に言えば転生ね」


なんでも精霊王になった存在は記憶を保ったまま元の低級精霊に戻ることができるらしい。


「それって弱くなったってことか?」

「そうじゃないわ、精霊王は転生するごとに性質を獲得していくのよ」


たとえば火の精霊王が転生し、水の低級精霊になったとする。


その場合は元の火の性質を残しながら水の性質を得たことになるのだ。


「つまり強くなれる可能性を得て転生するわけか」

「そう言うこと、そして転生の代償に自身の魔力総てを振りまき精霊やエルフに分け与えるの、それが」

「この粒子、つまり精霊の祝福か」

「その通り、しかもこれは純粋な魔力だからすぐに体に馴染んでくれるわよ」


たしかにこの粒子に触れると魔力が高まるのがわかる。


鑑定のモノクルで自身を計測してみると



――――――――――

Name:バアル・セラ・ゼブルス

Race:ヒューマン

Lv:42

状態:普通・祝福

HP:749/749

MP:11531/1331+200(装備分)


STR:93

VIT:81

DEX:109

AGI:134

INT:152


《スキル》

【斧槍術:45】【水魔法:3】【風魔法:2】【雷魔法:25】【時空魔法:11】【身体強化Ⅱ:14】【謀略:29】【思考加速:21】【魔道具製作:27】【薬学:2】【医術:7】【水泳:2】

《種族スキル》

《ユニークスキル》

【轟雷ノ天龍】

――――――――――


となっている。


(MPが1万上昇しているのか)


そして『祝福』という状態にもなっている。


これについてクラリスに尋ねてみると。


「その祝福ってのは一時的に魔力回復が上昇して、なおかつ自身の魔力の浸透する領域が拡大するのよ」

「魔力回復はわかる、だが浸透する領域ってのはなんだ?」

「簡単に言うと精霊に見つけてもらいやすくなるってことよ」


クラリスの説明だと漏れている魔力は体の近くでとどまっているが祝福の状態だと、その魔力が周囲に広がりやすくなっている状態なのだとか。


(撒き餌に近い感じか)


ということで基本的には魔力が上昇する以外に恩恵はあまりないらしい。


「それでは皆の者、ルクレ・アルム・ノストニアを見送ってくれ」


広場に視線を戻すとアルムが神樹に向けて歩みを始めた。


「これからアニキは三日かけてすべての祭壇で祈りをささげるの、そしてそれが終わると本当の森王として認められるわ」


そしてアルムが神樹にある最も大きな蔦の道を進み、見えなくなる。


「さて、じゃあ行くわよ」

「どこに?」

「決まっているわよ、祭りを楽しみによ」

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