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精霊石の使い方

「しかし祭りというからどんなかと思ったが………」


目の前で敷き布を広げて様々なエルフが何かを売っているだけだった。


「仕方ないでしょ、今日は前夜祭、つまりは祭り本番じゃないのよ」


本格的なのは明日以降になるという。


(しかし売っているのはほとんどが民芸品や布、矢と弓)


どうみての大規模なフリーマーケットにしか見えない。


「ちなみに明日はどんな屋台が出るんだ?」

「屋台はほとんど出ないわよ」

「………ん?」


じゃあなにするというんだ?


「まぁこれは明日になってみなければわからないわね」


そういって意味心的な笑みを浮かべるクラリス。


「…………よし…………これはチャンスよ」


視界の隅でセレナが何かをぶつぶつとつぶやいている。


(あいつ、何か知っているな)


本来なら今すぐしゃべらせるのだが今は様々な目がある下手な行動はとらないべきだろう。


「じゃあ前夜祭で何を目的にこの前夜祭は行っているんだ?」

「あれよ」


クラリスは一つの店を指さす。


「ここは?」


その店には多くの水晶のようなものが売られている。


「ここは精霊石が売られているところよ」

「!?ほんとう!?」


近くで聞いていたセレナが俊敏な動きで詰め寄ってくる。


「どうした急に?」

「だって精霊石よ!精霊と契約しやすくなるアイテムじゃない」

「あら、よく知っているわね」


クラリスもセレナの知識にはびっくりしている。


「セレナちゃんの言う通り、精霊石は精霊と契約を補助してくれるものよ」

「すまん、話が見えない」


アイテムの使い道は理解した、だが祭りと何が関係しているのだろうか?


「祭りの名前は?」

「生誕祭」

「じゃあ何が生誕するの?」


ん?


「新しい王じゃないのか?」

「はずれ」


そしてクラリスは楽しそうに笑いながら答えを教えてくれる。


「正解は精霊よ、この時期になると神樹が膨大な魔力を放つのは教えたわね?」

「ああ…………つまりこの生誕祭はアルムの即位がメインではなく、精霊の生誕がメインなのか?」

「そのとおり、でもこの祭りで王が代わるのはいつものことだからそっちがメインといってもおかしくないわ」


説明が終わると俺たちも屋台を見てみる。


「おや、クラリス様、どうされましたか?」

「実は人族(ヒューマン)のお客さんが来ているから案内していたの」

「ほぅ、お客人は祭りが終わるまで滞在するのですかな?」

「そのつもりだ」

「では精霊石をひとついかがですかな、もしかしたら精霊と契約できるかもしれませんよ」


みんなに視線を送ると、両親はそれぞれ弟と妹を抱えて桜に見とれており、リンは護衛として周囲を警戒、セレナはぜひお願いしますといった視線を向けてきており、カルスはきれいなエルフのお姉さんに見とれている、ノエルは精霊石に惹かれている、カリンは光物に興味がないようで反対側にある屋台に視線を向けている。


「とりあえずどんなものがあるか見せてくれ」

「わかりました」


店主は最低ランクから最上級の精霊石を並べて見せてくれる。


「こちらの『無の精霊石』が最低ランクなっており、次に属性の精霊石、その次に―――」







まず基準として精霊石とは自身の魔力を込めてそれを餌に精霊を呼ぶためのものだ。


そして精霊石には適した属性というものがある。


無の精霊石なら自身の魔力のみを餌とする。


だがこれが『火の精霊石』だとするなら、自身の魔力の火の魔力部分が増長されて火属性の精霊がやってきやすくなる。


ほかにも水の精霊石なら水の魔力が増幅され、風の精霊石なら風の魔力が増幅されるようになる。


そして精霊についてだが、彼らは自身で魔力を生み出すことができない、必ず何かと契約して魔力を分けてもらう必要がある。


契約するのは獣でも魔物でも人でもエルフでも構わない、魔力を供給する存在であればいい。


だが精霊はなにも魔力だけを目印に契約しているのではない、魔力の質を見ている。


火の魔力が強い人がいるとしよう、この場合は火の精霊が契約しやすくなる。


無論、一番質が高い属性ではない精霊と契約できる場合もある。だがその存在の一番相性のいい属性が選ばれやすいのは間違いない。


なので自身の魔力の属性を知り、その属性にあった精霊石を使うことにより簡単に契約しやすくなる。

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