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誘拐の事件はまだ全部が終わったわけではない。

(今回は父上との顔合わせがメインみたいだからな)


別荘に戻っている最中にさきほどやり取りは当たり障りのない話題しかなかった。


「やぁバアル少し時間いいかな?」


反対側からアルムがやってきた。


父上に視線を向けると頷く。


「わかりました、では父上私は遅れて合流します」

「わかった」


予定ではこの後母上の方に合流して祭りを楽しむのだが、俺は遅れて合流することになった。









「それで話ってなんだ?」

「例の誘拐の件さ、あれはまだ終わってないだろう?」


さすがアルム、抜けているようで抜けていない。


「どこでそう思った?」

「これだろ」


アルムは自身の首を指さす。


「エルフの魔力すらも封じる首輪、子供たちすべてにあれが嵌められていた」


アルムの言う通りだ。


あの数の首輪を揃えるとなるとダンジョンで手に入れることは困難だ、だとするとアレはイドラ商会同様量産できる魔道具ということになる。


しかも作製にはかなりの魔法技術必要になる。


ただここで言いたいのが。


「僕のほうでも調べたけど、関与されたと考えるネンラールにあんな高度な魔法技術があるとは思えないんだよね」


アルムの言葉にすべてが詰まっている。


つまりネンラール自体にあの首輪を作ることはまず無理ということだ。


ネンラールにどこかの国の技術を持った組織が潜入、そして暗躍していたことになる。


「どこだと思う?」

「さぁな、俺はグロウス王国の魔法式しか知らないから特定はできないよ」

「だよね~、僕も知らない式だったし」


魔法はそれぞれの国で体系がある程度はっきりしている、なのでそれで特定できなくはないのだが………


(ほかの国の魔法式を使って偽装することもできるからな)


完全な証拠とは言えない。


「それで対策はしたのか?」

「もちろんだよ、一定間隔で監視用の大樹を作って、そこで監視をしてもらっているよ」


ということで対策はしているみたいだ。


「それと魔道具に関してなんか騒ぎがあったみたいだね」

「……まぁな」

「返金だけなのかな?」


いい笑顔でアルムは訪ねてくる。


これは暗に『迷惑料に何をしてくれのかな?』と言っているのだ。


「他に何が欲しいんだよ?」

「そっちの国の情勢を教えて」

「また急だな」

「仕方ないじゃん、なんかそっちの国の使者がやたらに僕を取り込もうと動こうとしているんだよ」


心底嫌そうに言うアルム。


「わかった、俺としてもこっちの問題をそっちに持ち込むつもりはない」


ということでアルムに教える。


グロウス王国で第一王子と第二王子が争っていること、そしてその影響がノストニアに来そうだということ。


そして俺が一応ではあるが釘をさしておいたこと。


「だから下手な動きはないとは思うんだがな………」


正直保証はできない。


「そっか、ある程度内容が知れただけでも良しとしよう」


アルムとしてはグロウス王家の継承位争いは無視することにしたようだ。


「さて話は終わりか?」

「本当ならもっと詳しく聞きたいところなんだけど、時間もなさそうだから今日はここまででいいかな」

「また時間がある時に話してやるよ」


ということで俺は退室し、エルフの一人に連れられて城を出る。

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