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魔道具も万能ではない

「あなた……本当にあの人たちの子供?」

「どういうことだ、それは」


日が沈むと用意されている建物で休む。


「あんな人の好さそうな人から貴方みたいなのが生まれたとは思えなくて…………」


確かに両親は平和ボケした人物でとてつもなく人に甘い。


「両親があんなんだから、俺がこうなったんじゃないか?」

「………そうも考えられるわね」


なにやら納得しなさそうだけどこれはどうしようもない。


「それにしてもろくな護衛を付けていないのね」

「まぁ、それはそっちを信用しているからな」

「なら信用に答えられるように頑張るわ」


それから会話しているうちに、魔道具の件になる。


「まずは謝罪を」

「謝罪を受け入れるわ」


頭を下げて謝るとあっさりと許してくれる。


「それと魔道具を購入したエルフを探してくれないか?本来の値段との差額を返金したい」

「わかったわ」


と言うことで魔道具の件はあっさり片が付いた。








「俺は祭りとしか聞いてないんだが?」

「生誕祭の事?」

「アルムが即位する祭りのことなんだが」

「それなら生誕祭で合っているわ」

「それなんだが、どんな祭りなんだ?」


アルムは聞いても教えてくれなかった。


「う~~ん、見た方が早いわ」

「お前もか」


兄と同じことを言う。


「一応聞くが、危険はないよな?」


ここで危険がある場合は母上と弟妹を送り戻すことになる。


「へ?」


キョトンとした表情で固まり、少しすると笑い始めた。


「アハハハ、無いわよ、なにせノストニアの一大行事よ、下手なことを考える人はまずいないわ」


クラリスは絶対無いと念を押してくる。


コンコンコン


扉がノックされる。


「来たわね」

「お久しぶりです、クラリス様、バアル様」


扉から現れたのはウライトだった。


「そういえば町長になったのだな」

「はい、アルム様に頼み込んで志願しました」

「物好き……でもないか」


この町に配属されるエルフは全員ある程度戦えて、人族(ヒューマン)との交流に積極的な者たちだと聞いた。


そこにウライトが当てはまってもおかしくわない。


「ウライト、魔道具について少し話がある」

「というと?」


先ほどクラリスに話したように魔道具の値段についてを話す。


「では、私から皆に話を通しておきましょう」

「頼む」


クラリスにも頼んではいたが、彼女は俺たちを案内する役割がある。


なので時間が取りにくいだろう。


「それにしても子供が多かったわね」


クラリスはセレナやカルス達を思い出してそう言っている。


「まぁあれでもうちの使用人なんだ」

「でも本当に護衛が居なくていいの?」

「大丈夫だろう、こっちとしては友好関係を示したい」


護衛を連れてこないことにより危険さはあるが、反面全面的に信用していると表現することができる。


「うれしいわね」

「それで明日にはノストニアに向けて出発するのか?」

「ええ、あと5日で祭りが始まるから、少し余裕をもってきてもらうわ」

「了解だ」








翌朝。


起床し朝食を済ますと早速ノストニアに向けて移動する。


その際には持ってきた馬と馬車は使わない。


代わりにエルフが用意した馬車に乗る。


「へぇ~面白いな」


父上がそうつぶやく。


「まぁ人族(ヒューマン)では珍しいでしょうしね」


今乗っているのは馬のない馬車、つまりは魔力で動くように改造された馬車だった。


「イドラ商会でも作れないかな?」

「無理です、というか国内で使うことができません」


前世のように道路が補整されているならともかく、この国の道ではまず使えない。


(それに車と同等のエネルギーを魔力で頼るなら、人族には無理だ)


以前試したが、俺でも5分ほど走らせるだけで精いっぱいだ。


御者席では3人のエルフが一人が走らせ、一人が魔力回復に努め、一人が見張りをしている状態だからこそ走らせることができる。


人族(ヒューマン)なら何人必要なることやら)

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