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俺だっつってんだろうが!!

「では問題ないな?」

「「「「「「「はい!!」」」」」」」


翌朝、馬車が出発する前にイドラ商会で店員全員に説明する。


「さてこれから1週間弱は自分たちで店を回してもらう」


そう言うと数人が緊張した面持ちになる。


「で、そのために彼女を臨時の店長にした、異論は?」


もちろん全員異論は示さない。


「では指示した通り、値段を直し購入したエルフがやってきたら返金するのだ。あとはいつも通りに作業をすればよい」

「「「「「「「はい」」」」」」」


俺からの指示は以上だ。


だけどこれだと少し支障が出る場合があるから少し保険をかけておこう。


「わかっていると思うが、彼女が店主をやっているときになにか不祥事が起きたら、君たち全員に罰をあたえるからな」

「「「「「「「!?」」」」」」」


脅しをいれることを忘れない。


「豚の結末を知りたいなら、別にいいさ、今頃殺してくれとでも叫んでいるだろうからな」


生唾を飲む音が聞こえてくる。


それほどまでに従業員は恐れている。


「(ここまで脅せばいいだろう)さてじゃあ俺は行く、いいか決してイドラ商会にふさわしくない行動はするなよ」

「「「「「「「わかりました、バアル会長!!」」」」」」」


敬礼しそうな勢いで見送ってくれる。










「で、問題は済んだのか?」

「ええ、父上。問題が起こる確率は少ないと思います。ただこれで本当にどうしようもないこと以外を起こしたのなら本気であの者たちの首を飛ばしますよ」

「…………うぅむ」


父上は優しい性格をしているがゆえにこのような決断をしにくい。


「父上」

「わかっている、これが国にとって必要な対応だということも」


これはアルム(新王)の要請でもあるんだ下手に軽い処罰はできない。


(もう少しじっくりと考えればよかったな)


少し反省する。


「まぁ~~~」


すると母上が外を見て喜色の声を上げる。


「アレがノストニアの建物ですね~」


馬車から外を見ると茨の蔦を何百倍にも大きくしたものが壁のような役割をしている。


「あら、あの子お人形みたいでかわいいですね」


母上は入り口を見てそう漏らす。


(まぁエルフは綺麗な人物ばかりだからな)


母上がそう思うのも無理はないだろう。


「見て、あの女の子、ピンク色の髪をしているわ」

「…………え?」


俺も窓の外を見てみると馬車の先にピンク色の髪をし手甲を嵌めている、見慣れた人物が仁王立ちしている。












「ようやく来たわね!」


村に入り馬車から下りるとクラリスが歓迎してくれる。


「今回はお世話になります、クラリス様」


礼儀正しくあいさつしただけなのにクラリスは信じられないものを見たよな顔になる。


「……………誰?」

「お忘れですか?バアル・セラ・ゼブルスです」

「あ、わかった影武者ね!それで本物はどこにいるの?」


何もわかっていない。


「クラリス殿」

「あ、リン、バアルはどうしたの?何かトラブルでもあった?」

「いえ、その…………」



「だから俺だっつってんだろ」



いい加減めんどくさいので普通に話す。


「!?……そうよ、バアルはそうでないと!」

「俺にどんなイメージを持っているか問い詰めたいんだが?」


俺の両親と待機しているエルフは微笑を浮かべている。


「はぁ、じゃあこっちの口調でしゃべるぞ」

「そうして、調子が狂いそうになる」


と言うことで俺たちの間で堅い口調は無しになった。


「バアル」


父上から声を掛けられる。


「クラリス、今回招待されたゼブルス公爵家当主とその妻、つまり俺の両親だ」


するとクラリスは佇まいを直す。


「初めまして、リアナ・クラリス・ノストニアと言います。今回の案内人を務めることになりました」


優美な礼をこなすクラリス。


「こちらこそよろしく、私はバアルの父親、リチャード・セラ・ゼブルスという。息子と仲良くしてくれて礼を言う。そしてこっちが」

「妻のエリーゼ・セラ・ゼブルスです、よろしくねクラリスちゃん」


両親が人の好さそうな表情で挨拶をする。


「では御夫妻、まずは町を案内します」


ということでこの日はこの交易町の案内をされることになった。

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