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グロウス王国南部貴族 2

さらに次の人物を紹介される。


「初めまして、バアル様。自分はクント・セラ・ジュラードといいます。ジュラード領と伯爵の位を賜った者です」


挨拶に来たのは灰色の髪をした壮年の男性だ。


「それとこちらが我が娘のロゼッタです」


紹介されたのは灰色の髪を短くしている少女だ。


年齢は俺よりも年下そうで、アンリ嬢とは裏腹に穢れがない純粋そうな少女だ。


「ろ、ロゼッタ・セラ・ジュラードでしゅ!!」


緊張したのか噛んでしまったようだ。


そしてそれが恥ずかしいのか赤くなりうつむいている。


「かわいいお嬢さんですね」

「!!!」

「ありがとうございます、我が娘は緊張しているようですので大目に見てやってください」

「わかりました」


それから程よく話をする。


「ジュラード領の石材は良質のものが多いので助かっています」


ジュラード伯爵領は南東に位置して、大規模な鉱床などは無いのだが良質な石材が良く採れるのだ。


利益は鉄などよりは低いとはいえ、需要は十分あるのでかなり儲かっているだろう。


「ゼウラストの道路に石畳にしたので助かっています」

「ほぅ、都市すべての道路をですか?」

「ええ、おかげで荷物の運搬が楽になりましたよ」

「ほぅさすがですな」

「ほかの町も同じような計画を立てていますので、その際はクント殿に頼むかもしれませんね」

「その際はぜひ、バアル殿の頼みであれば多少の値引きは約束しましょう」


こんな感じにジュラード伯爵との会話は終わる。


「初めまして、バアル様」


次に紹介されたのは成人したてぐらいの青年とそれを幼くした少年だった。


「失礼だがあなたは?」

「私は、ルイアル伯爵領を納めている、ウシルア・セラ・ルイアルと申します」


ルイアル伯爵領は南東部に位置する漁業が盛んな領地で礁湖や潟湖などが多く存在する観光スポットでもある。


もちろん港もあるがどちらかと言うと観光地として有名だ。


「そちらは?」

「じ、自分はルズニ・セラ・ルイアルと言います」


先ほどのロゼッタ嬢ほどひどくはないが緊張しているようだ。


「お子さん……じゃないですよね?明らかに年が近いですし」

「そうです、私とルズニは兄弟です」


そう言って弟の頭を撫でるウシルア。


「そういえば、奇妙な噂を聞いたのですが」

「……奇妙な噂?」


ウシルアは突然こう切り出してきた。


「実はネンラールのさらに東の国の話なのですが」

「さらに東……となると戦乱状態になっている東邦諸国ですか」


ネンラールのさらに東には無数の小国ができており危険な土地だと報告を受けている。


「はい、そしてそのうちの一つの国でクーデターが起きたのはご存じですか?」


…………似たような話をルナから聞いたな。


「噂で聞いたな、詳しくは知らないが確か齢七歳がリーダー、いや、今は八歳かだったか」

「その噂です、国はアジニア皇国といい、東邦諸国の一つです」

「で、その国がどうした」


ウシルアは近づき耳打ちしてくる。


「実はその国では魔道具らしきものが出回っているのです、それもイドラ商会とは別の」

「ほぅ」

「それも何やらジュウ(・・・)と呼ばれるもので武器の魔道具ですよ」


このとき俺は楽観視してこの話を聞いていたのだが、この一言で固まった。


「……………なるほど、話してくれて助かる」

「いえいえ、では申し訳ありませんがほかの物に挨拶に行かねばならないので」

「ああ、今後もよろしく頼む」


そう言うとウシルアはほかの人のところに挨拶に行った。


(……………とりあえず、この件は後々調べることにするか)


思わず長考しそうになるが今はパーティーを無事に終わらせることを優先する。


「あの、バアル様、もしよろしければ少しお話しませんか」

「いいですよ」


ちょうど話し相手がいないのでアンリ嬢の案に乗る。


「できれば自分もいいですか?」

「わ、私も」

「ぼ、僕もいいですか?」


先ほど紹介された3人も加わることになった。

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