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グロウス王国南部貴族

それから廊下を進んでいくと残り二つの公爵家、キビクア公爵家、ハルアギア公爵家とも合流する。


並び方としては左からキビクア、アズバン、ゼブルス、ハルアギアとなっており。


その後ろに妻達が並び、さらにその後ろに子供たちが並ぶ構図となっている。


(……キビクア公爵の子供が一人少ない?)


幼児ならまだしもある程度の年齢になればよほどの事情がない限り欠席はしてはならない。


(まぁ問題はないか)


そこまで気にせず、会場まで進む。








「では公爵の皆様方のご到着です!!」


扉の向こうから声が聞こえると巨人が使いそうなほど大きな扉が開く。


中には何百人もの貴族が既に待機している。


「お待ちしておりましたリチャード様」

「おお、アジャク侯爵ではありませんか」


ゼブルス領のさらに南部に位置して周辺の港のある領地のまとめ役をしている南部でも重要な貴族だ。


それと父上と親しい点から、もちろん中立派の派閥だ。


「ゼブルス領では不作と聞きましたが、大丈夫でしたか?」

「もちろんだ、一時期収穫量が落ち込んだがすぐにまた持ち直したさ」


父上はアジャク侯爵やほかの貴族とも世間話を始める。


「奥様、お久しぶりです」

「あら、アーミラ婦人!夏のお茶会以来ですね」


母上も母上で貴族のご婦人と交流を深める。


(さて、俺はと)


普通なら俺も近しい友人などと交流を深めるのが普通なのだが、悲しいことにそこまで親しい友人はいない。


(母上たちには悪いが俺は先に食事にさせてもらうとしよう)


父上達から離れて食事に向かう。


(………遠目からは観察する視線があるんだがな)


俺との距離を測っている視線を複数感じる。


だがその複数はリンに向けられている者もある。


(まぁ、リンは面はいいからな)


注目を集めてもおかしくはない。


「バアル、少しいいか」


離れた場所にいた父上が近寄ってくる。


そして父上の後ろには親子と思しき貴族が何人もいる。


「どうしたのですか?」

「いやな、バアルに紹介したいものがいると聞いてな」


と言うことで紹介される。




「初めましてバアル様、私はルガー・セラ・ニウールビ、ニウールビ伯爵家当主を務めています、そしてこの子が」

「どうも初めまして、リウールビ伯爵家長女、アンリ・セラ・ニウールビと申します」


最初に挨拶してきたのは紺色の髪が特徴の親子でニウールビ伯爵家の当主とその令嬢だ。


父親は長い髪をしておりやり手の雰囲気を見せている、令嬢の方は長い髪をストレートで下ろしておりミステリアスな雰囲気を醸し出している、年は少し上だろう。


「(たしか南西の方角の家だったな)初めまして、私はゼブルス家嫡男バアル・セラ・ゼブルスです。若輩者ですがどうぞよろしく」

「こちらこそよろしくお願いします。陛下も認める俊英とお近づきに慣れて光栄です」


最初は少し意外そうな顔になってから、父上に接している笑顔になる。


「アンリ嬢もよろしく頼む」

「ええ、もちろんですわバアル様」


既に社交界に出回って慣れているのでお互いに無難なあいさつを交わす。


「しかし、ニウールビ領ですか、エールが大変人気だと聞いています」

「おや、バアル様の耳にも入っているとは光栄でございます」

「もちろん、我が領地の小麦をよく使っているそうなので」


ニウールビ伯爵家はエールの生産地で有名なのだ、しかもその原料である大麦は大部分がゼブルス家の領地から取れたものを使っている。


つまりは友好的になって損はない相手だ。


「ただ、私は自身で飲むことはできないので伝聞のみなのですがね」

「では、成人したい際にはその年一番のエールをお届けいたしますよ」

「それはありがとうございます」


二人との顔合わせはこれで終了して、次の親子に移る。


「初めましてバアル様、アーヴォの土地を賜っています、バサルガ・セラ・アーヴォと申します、それでこちらが」

「バサルガ・セラ・アーヴォの長男、ウラキン・セラ・アーヴォといいます」


次に紹介されたのは茶色の髪に浅黒い肌をした親子だ。


「(アーヴォと言えば港町を持つ伯爵家だな、場所も南西側にある)初めまして、バアル・セラ・ゼブルスです。アーヴォリア港のことは聞き及んでいますよ」


アーヴォリア港は南部有数の港町でクメニギスとの交易を盛んに行っている。


「これはうれしいですね、もしご入用の時は声をお掛けください」

「ええ、その時はよろしくお願いします」

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