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セレナの成長

「…………バアル様、加減してあげてくださいね」


審判役を買って出てくれたラインハルトが何度も念を押してくる。


「わかっているよ、最初は俺からは攻撃を仕掛けない」


と言うことで早速4人と模擬戦することになった。



最初はセレナ戦


「では、はじめ!!」

「輝晶剣!!」


戦いが始まるとセレナはすぐさま自分の周囲に3つの輝晶剣を生み出す。


「へぇ~三つ出せるようになったのか」


以前は二つしか出せなかったはずだ。


「はい、手加減はしません!!」


そう言うと一つが俺に向かって飛んできて、残り二つがセレナの周囲で回り防御に徹している。


キィン、キィン、キィン


弾いても弾いても再び空を飛び、切りかかってくる。


(うん、俺じゃなければ厄介に感じるところだな)


いつまでも纏わりついてくる剣はなかなかに鬱陶しい。


剣を振り切れないなら、剣を壊すことができないならかなり厄介だろう


(俺も『飛雷身』がないなら、かなり厄介だっただろうな)


だが今回は模擬戦、俺はユニークスキルを使わないで決着をつける必要がある。


「『パワークラッシュ』」

バキッ

「!?」


地面に叩きつけるよう衝撃を喰らわせるとさすがに砕ける。


そして砕けた剣はその場で消失していく。


(さすがに壊れると消えるのか)


破片がまた飛んでくるなんてことが無くてよかった、さすがにそれだと打てる手が無くなる。


「ふっ」


即座にバベルを構えながら接近戦に持ち込む。


「!?、行け!!」


残り二つもこちらに飛んでくるがすぐさま同じように砕き壊す。


「ほらどうする!」

「『岩咢(ロックファング)』」


セレナは落ち着いて俺が通る場所に魔法を発動させる。


これは見たことがある、サルカザが使っていた土魔法だ。


俺が足を踏み込んだ場所を中心にトラバサミみたく土が盛り上がる。


サルカザとの違いは岩の棘がないことだ。


さすがに模擬戦と言うことで自重したんだろう。


(となると)


軽く走り、棒高跳びのようにバベルを下に付きたてて空中に逃げる。


「これなら!『土塊球(アースボール)』」


好機と思ったのか、10個の土の塊を作り出し、俺に向かって射出する。


「『紋様収納』」


すぐさまバベルを紋様に戻し、取り出す。


「うそ!?」


飛んでくる土塊を砕き落とす。


(飛雷身が使えればかなり楽なんだが…………ダメだな、俺もかなりユニークスキルに依存しているな)


使えないのが歯がゆい。


だがそれだといざ使えない時に困ってしまう。


(ユニークスキルを使えなくさせることはできないとされているが完全に証明はできないからな)


完全な証明ができれば俺もユニークスキルに依存しても何の問題もないんだがな。


とりあえず地面に降り立つと、またセレナに向かって走り始める。


「『ロックファ』」

「『ショック』」


セレナが再び魔法を発動させる前にこちらも魔法を飛ばす。


「っ」


雷の初級魔法『ショック』は威力は弱いが、発動がとてつもなく速い。


それゆえに邪魔をする際には最適な魔法だ


「『土壁(アースウォル)』」

 『岩咢(ロックファング)


二つの魔法が同時に発動する。


「ん~、魔法の同時発動か」


ユニークスキルを使えるなら簡単にできるだろう。


俺のショックは土壁に防がれ、再び俺の周りが盛り上がる。


(埒が明かない)


ということで『身体強化Ⅱ』を使う。


そして強引に魔法が完成する前に駆け向ける。


土が盛り上がるが助走をつけたジャンプで乗り越えることができる。


「ええええ!!!」


驚いてはいるが既に新しい魔法を構築している。


「『火壁(ファイアーウォル)』」


セレナと俺の間に火の壁を生み出し、進路を妨害する。



(右、左……いやここは)









私は何とかバアル様を遠ざけようとする。


(ラインハルトさんに教えてもらっているけど近接戦はまともに戦えるとは思えない)


なので出来るだけ、距離を取り、遠目から完封するしかない。


今は火壁(ファイアーウォル)で進路を塞いで予想する。


(右、左………どちらにしても準備しておかなくちゃ)


私は『三重思考』を発動して考えられる数を三つにする。


一つは体の制御、一つは右に向けての魔法の準備、最後は左に向けての魔法の準備。


(片方から来たら反対側の思考を戻して距離をまた取らないと)


さらに予備で魔法を準備できるようにもしている。


「……【輝晶剣】」


剣に魔力を流して再び複製剣を防御用に作り出し構える。


(さてどう来る)


『―――』


なにかの声が向こう側で聞こえる。


火の音でなんて言ったのかはわからなかった。


(だけど……来る)


一層集中する。


ダッダッダッダッ


微かに聞こえる足音から方向を読み取ろうとする。


(え、これって)


足音が聞こえてくる方向は。


ドパン


なにかが火の壁を通り抜けてくる。


「やば」


すぐさま二つの思考を魔法の構築を輝晶剣と体の操作に切り替える。


ギィン

「っ~~~」


手が痺れるが何とかハルバートの一撃をいなすことができた。


すぐさま輝晶剣を操作して纏わりつかせる。


(このうちに距離を)


バキッ、バキン!!!


と思ったが、輝晶剣がハルバートの一撃ですべて砕かれた。


「きゃっ!?」


振られたハルバートを何とか防ぐのだが、すぐさま次の一撃で剣が吹き飛ばされる。


「そこまで!!!」


ラインハルトさんの言葉で負けたことを理解した。

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