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アルカナの情報

「なぁ、もう少し量は減らせられないのか……」


いつもながら書類仕事をさぼろうとする父上。


「できるわけないです、これは新年際の書類や決済、補助金の書類ですよ、大急ぎで済ませないといけないのです」

「いや~、それは分かっているよ、でもこの量は……」


机の上いっぱいに書類が埋め尽くされている。


「他にも、税金や雪による被害報告、貴族たちから新年の贈り物、あたらしく採用する役人や兵士、騎士の書類もあります」


年末年始ほど忙しい時は無い。


しかもこれらは必ず父上が目を通さなければいけない書類ばかりだ。


「ばぁあ~る~」


語尾に『えもん』とかつきそうな声だ。


「こればかりは手伝えません、ご自分で目を通してください」


そう言うと机に突っ伏して涙目になっている。


(仕方ない)


俺は部屋を出て、母上の元に向かう。


「母上いますか?」

「あら、どうしたの?」

「すみません、父上の元に行ってほんの少しだけ甘やかしてきてください」

「あら、ふふ、わかったわ」


このやり取りだけで父上がどうなっているか理解できているのだろう。


ここは母上に行ってもらって、励ますやら、叱るやらで動かしてもらわねば。


「代わりに二人を見ていて頂戴ね」

「もちろんです」


そう言うと嬉しそうに部屋を出ていった。



(なんだかんだ言っても母上も父上が好きだからな)


見ていられなくなる場面が多々あるほど両親はいい関係だ。


「さて」


若干期待している二人を見る。


「リン、セレナ」

「「はい」」

「二人の面倒を頼む、くれぐれも怪我とかさせるなよ」

「「了解です!!!!!!!」」


二人は嬉しそうに返事をすると二人に掛かりっきりになる。


(楽しそうで何より、さて)


俺は離れた場所である手紙を開く。


(アルカナの秘密か)


手紙にはノストニアの件の報酬であるアルカナについて書かれている。









アルカナシリーズ。


魔具にはシリーズと言う何らかの関連性が確認されているものがある。これはその一つにあたる。


数は確認されているだけで21個存在する。


ただ詳細は不明。なぜならアルカナは3つの段階を踏むからだ。




(………段階か)





段階は『所有者』『契約者』『代行者』と分けられる。


『所有者』は契約ができずにただ上辺だけの力しか使いこなせないもののことを指す。


『契約者』は契約を成し、体とアルカナが同化した状態の者のことを指す。


『代行者』、これだけは文献がなかったため不確定である。ただ、『契約者』の時点でかなりの能力を擁するのでさらに強い能力を保有すると捉えてよいだろう。






“汝、神秘の十六番目たる、『塔』の契約者足りえるか”

“汝に我が神秘の欠片を与える資格を見た”

“破壊、破滅、崩壊、災害を引き起こす『塔』の神秘アルカナ、汝との契約を遂行する”


以前頭の中に伝わってきた言葉を思い出す。


(おそらく俺は『契約者』の段階だろうな)


残念ながら知識がないのでどの段階なのかは予想しかできない。








そして判明していることが一つ。


アルカナシリーズには『反転』という現象がある。


詳細は不明だが、ある一定の行動を起こすと自我が無くなり暴走する。


その『反転』から逃れられた者はいない。










そして最後の一文に


『ただ、唯一『塔』のアルカナだけは『反転』の現象が確認されたことはない。』

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