ダンジョンタイプ
「これは……」
「説明しろ」
「鑑定というスキルは人なら教会のステータスのように表示され、物ならこのように、名前、レア度、スキル、説明が表示されます」
「それで何を驚いていたんだ?」
俺は最初に驚いていたことが引っかった。
「レア度は現在9まで確認されています。それも現在確認が取れているのは3点のみでレア度が下がっていくにつれて出る確率も上がるのですが……このモノクルはレア度7、つまり冒険者が一生に一度手に入れられるかどうかなのです」
それならすごく貴重だな。
「どうしますか?売却するならば金貨100枚は下りません」
「100!?」
リンは驚いているがイドラ商会を経営している俺からしたら大金であることに変わりはないがそこまでではない。
「いや、俺が使うから売らん」
モノクルを付けると自動で宙に浮きあがる。
「これは便利だな」
本来、モノクルは眼窩に駆けるのだがこれはその必要がない。
俺はラインハルトのことを見てみる。
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Name:ラインハルト・ガルリオ
Race:ヒューマン
Lv:35
状態:普通
HP:378/378
MP:224/224
STR:29
VIT:31
DEX:18
AGI:26
INT:18
《スキル》
【聖剣術:7】【槍術:5】【光魔法:4】【身体強化:14】【威圧:7】
《種族スキル》
《ユニークスキル》
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ユニークスキルは無いが、騎士の中でも有望株と呼ばれるだけある。
「どうですか?」
「ああ使い勝手はいいよ」
モノクルを『亜空庫』にしまう。
ちなみに亜空庫とはアイテムボックスやインベントリに似た機能だと思ってくれればいい。
ただメニュー画面などは無いから自分で何を入れたか覚えておく必要があるけどな。
「時空魔法ですか」
どうやらラインハルトは知っているらしい。
「その通りだ」
「すごいですね、時空魔法を使えるなんて」
ラインハルトはうらやましそうにこちらを見る。
「なんだラインハルトも使ってみたいのか?」
「ええ、使えるならば。使えたら荷物を背負って歩く必要がなくなりますからね」
リンも興味深そうにこちらを見てくる。
原理をここで話してもいいが時間がかかりすぎるために他の機会にするとしよう。
そして宝箱を開けると壁の一部が開き道ができた。
「…なるほど、これはステージタイプですね」
「…説明を頼む」
ダンジョンには主に3種類の形がある。
まずはこのダンジョンのように一本道に度々広い空間が現れて、そこで魔物と戦うタイプ、これをステージタイプと呼ばれている。最初は弱い魔物だがどんどん進むごとに魔物の質と数は増えていく。そして特徴がステージをクリアするとその都度、宝箱が合わられてランダムに報酬が与えられる。
「そしてその報酬ですが一番最初にクリアするとレアなものがもらえやすくなるみたいですよ」
「だからモノクルが手に入ったのか」
明らかに最初に手に入りそうにないレア度だが最初にクリアできると今回みたいにレアなものが出やすくなる。
そして二つ目がラビリンスタイプ。
これは呼んで字のごとく迷宮みたいになっているタイプだ。通路は入り組んでいて魔物はいつどのタイミングで現れるのかもわからない。そして宝箱だがランダムで出現してレア度も様々なのだそうだ。
最後にエリアタイプ。
これは一つのフロアが階層占めているダンジョンのことを指す。湖や、森、火山、砂漠それぞれもエリアが存在して、それにあった魔物の生態系や資源などが存在する。魔具もダンジョンのエリアにあったものが出現しやすい。
このようにダンジョンは3つのタイプになっている。
「それとですがこのドロップアイテムはどうしましょうか?」
さきほどゴブリンやスライムがいた場所にはボロボロのナイフや魔石と思われるものが落ちている。
ダンジョン内で魔物は死ぬと消えるのだが一部が消えずに残りドロップアイテムとなる。
「亜空庫に仕舞いますか?」
「……仕方がない」
俺は亜空庫の扉を開く。
亜空庫は容量は無限なのだが、空間を出現させるのに魔力を消耗する。その規模が大きければ大きいほど消費量は大きくなる。
すべてのドロップアイテムを亜空庫にいれる。




