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新年とお祭り騒ぎ

「ではこれより、新年祭を始める!!」



「「「「「「「「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」」」」



ゼウラストの中央広場で俺の父親。ゼブルス家現当主リチャード・セラ・ゼブルスが音頭を取る。


「ほら、バアルも楽しんでいらっしゃい」


父上と少し離れた場所で母上が横になっている。


「ですが」

「私は大丈夫だから」


母である、エリーゼ・セラ・ゼブルスの腕には二人の赤子がいる。


弟のアルベール・セラ・ゼブルスと妹のシルヴァ・セラ・ゼブルスだ。


「それに三人も行きたがっているわよ」


母の視線の先では二つの銀髪と一つの緋色の髪がそわそわと揺れている。


「そのようですね」

「ほら、ほら、行ってきなさい、それとこれはお小遣いよ、好きに使いなさい」


少なくない額が母上から渡される。


「はぁ~、お前ら視察に行くぞ」

「「「!!はい!!」」」

「は~い」

「了解です」


こうして先走る三人を俺とリン、セレナが苦笑しながらついて行く。







新年祭はグロウス王国の伝統行事だ。


全ての貴族が自身の領地で領民を集めて大規模な祭りを行う。


無論離れている場所などから呼び出すことはできないので、人員や物資だけを送り、その村だけで祭りを行ってもらう場所もある。


そしてこの行事の意味だが、まぁ文字通りなのと祭りが始まった時点で全員が年を一つ取ることだ。


なので俺、バアル・セラ・ゼブルスは8歳に、リンは10に、セレナは8、カルスたちは6になった。


「バアル様、これおいしそうですよ!!」


匂いを辿っていった屋台の前でカルスが俺のことを呼ぶ。


「ほぅ、で、どれが欲しいんだ?」

「この串!!」


今度は隣のカリンが答える。


「カルスとノエルはどれにする」

「俺はこれ」

「……私はこれを」


それぞれに串を渡すと財布から金銭を渡す。


すると店主が俺にも一つの串をくれた。


「頼んでないが?」

「はは、これはお前にだよ、弟たちに買ってやったおまけだ」

「では、ありがたくいただく」


俺は串を受け取りながら、また祭りを楽しむ。


「バアル様、あれ!」


カリンが裾を引き、指差す。


その先には俺が前世の祭りでよく見たものが売られている。


綿飴(・・)か」


セレナからしぼ………もらった(もちろん建前)アイディアを実用化したものだ。


「ねぇ、アレ、だめ?」


カリンだけでなくほか二人からも似た視線を感じたので買ってやることにした。


「お、若様」

「売り上げはどうだ?」

「順調でさ、物珍しいんでしょう、いろんな客が買っていきますね」


そう言うと三つ綿あめを用意してくれた。


「ほいよ、嬢ちゃんたち」

「「「ありがとうございます」」」


このように今回はセレナがいるおかげで前世の様々な料理を作り出すことができている。


(おかげで臨時収入が期待できそうだ)


するとノエルが一つの屋台で足を止める。


そこはアクセサリーを売っている屋台だった。


「どうした何か欲しいのか」

「…………いえ」


そう言うと再び足を進める。


(……ノエルだけ遠慮がちだな)


ほか二人は遠慮なくねだって来るのにノエルだけは控えめだ。


「まぁ従者としてはノエルが正しいけどね」


様子を見ていたセレナが近づいてくる。


「そうなんだが、これでは不公平だろう?」

「……そうね、でも本人が欲しがらなければ、それは余計なおせっかいよ」


これには何も言えなくなり、そのまま祭りの中を進む。







程よく楽しみ、日が落ちたころ。


「そろそろだな」

「アレですか」


リンにだけ先に話している。


それ以外の4人は首をかしげる。


「とりあえず戻るぞ」


中央広間に戻る。


「始まるぞ」


俺が空に指差すと同時にいくつのも魔法が空に放たれる。


「「「わぁあ~~~~」」」


空には様々な竜や火の鳥が動きまわり、人々を楽しませる。


もちろんこれもセレナに話させたネタで作られたものだ。


パフォーマンスが終わるとこれで祭りはお開きとなる。



こうして新しい年が始まった。

『冷徹公爵の異世界人生~助けてほしいだと?なら見返りは?~』


読者の皆様方のおかげで100万PV突破しました。


これからも努力を続けていくので、どうぞご期待くださいませ。

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