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年の終わり

「「「ふぅへ~~~」」」


僕とオルド、リズは案内された部屋でぐたっとなっている。


「まぁ二人ほどじゃないですけど」

「疲れた……」


こういう場に強そうな二人も森王の前だと緊張したようだ。


「…………ゴメン、アーク」

「ルーア?」


ルーアが申し訳なさそうに部屋に入ってくる。


ただその後に入ってきた人物を見て僕たちはすぐさま飛び起きる。






「そんなに緊張しないで」

「い、いえ、そ、そんな、わ、わけには」


ダメだ緊張して震える。


なにせ前にいるのは先ほどであった、ノストニアの王太子、ルクレ・アルム・ノストニアだ。


「気軽にアルムと呼んでくれ」


フレンドリーに接してくれるが僕たちは緊張してピクリとも動けない。


「まぁこうなるか」

「アルム様、お戯れはそこまでで」


ルーアが窘めると、笑いながら許せと言った。


「それよりも君たちは僕の期待する動きを見事こなしてくれた、礼を言う」


すると先ほどのヘラヘラした雰囲気ではなく威厳ある王の雰囲気になる。


「き、期待する、う、動き?」

「そう、君たちがエルフと人族(ヒューマン)のかけ橋に成りうる存在に」


そういうとどこかで見たことのある黒い顔を見せてくれた。


「あの、それはどういう」

「……そうだね、君にはある程度話しておこう」




バアル様が使節団の代わりに交渉しに来たこと、国交樹立にはエルフの人族(ヒューマン)に対する嫌悪感がすごいこと、そのための策を考えていると僕たちがアネットを連れてきたこと。


「この時点で君たちを利用しようと考えたんだ」


僕たちがエルフの誘拐事件を解決させるように仕向けた。


そしてそれが成った今、人族(ヒューマン)にもこういう人がいると宣伝することができる。


「解決するのはバアル様でも良かったのでは?」

「彼が貴族でなければそれでも良かったんだけどね」


それだとただ自分たちの失敗を隠しに来たようにしか見えないため、意味がないらしい。


「まぁこれはその報酬みたいなものだよ」


そういうと様々な武器が運ばれてくる。


「……これは?」

「好きな物を一つ選んでくれ、この中でそれを報酬として渡そう」











アークたちが武器を選び終わるとルーアに連れられて、グロウス王国に帰っていった。


「それでどうだった会議の方は?」

「ああ、問題なく終わった」


既に両国間の会議は終了して、それぞれが動こうとしている。


「で、君はいつ帰るの?」

「俺は使節団と一緒に帰るつもりだ」


俺の本来の目的は使節団の救出なのだ、なので一緒に王都に戻らなければいけない。


「そっか寂しくなるね」

「……連絡はいつでも取れるだろ?」


俺はアルムから『飛ばし文』を貰っている。


これを使えばいつでも連絡を取ることができる。


「まぁこっちでもいいんだけどね」


俺が渡した通信機を取り出す。


「これから魔道具が買えるようになるから使いやすくするでしょ?」

「その通り」


魔道具が魔力を介して連絡しているのはすでにバレている。


魔力が見れるエルフからしたら一目瞭然だろう。


「それと、これを渡しておくよ」


なにかの束を渡してくる。


「君に対しての報酬だよ」

「…ありがたくもらっておくよ」


こうして俺はグロウス王国に帰ることになった。





















それからアズリウス、王都を経由し、ゼブルス領に帰ってきた。


「はぁ~~~~」


自室のベットに寝ながら長い溜息を吐く。


(疲れた)


既に王家に貴族たちを無事届け、今回かかった費用を王家に請求し、裏の騎士団に今回の報告書を提出した。


「ふぅ~~~~」


今回はさすがに疲れた。


「バアル様、リチャード様が呼んでいます、年越しパーティーの準備が整ったそうです」


リンが俺を呼びに来た


「わかった今行く」


来年はゆっくりとしたい願いながら大広間に向かう。


こうして長い冬が終わった。

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