4人と別行動
「ここからはあんま物音立てるなよ」
ローグの言う通りにできるだけ足音を立てないで道を進む。
光がある場所をのぞき込むと、視線の先には牢屋とそのわきで何かをやっている二人組が見えた。
「……アーク」
「ああ」
牢の中には10人を超えるエルフの子供が捕まっていた。
「どうする?」
「証拠が見つかったのよ遠慮する必要がないわ」
そう言うとルーアさんが飛び出し二人を殴りつける。
ボグッ、グギャ
人の体から出る音とは思えないくらい鈍い音だった。
「助けに来たわ」
そういうとエルフの子供たちは理解できなかったのか少しの時間固まる、そして次第に泣く声が聞こえてくる。
怖い思いもしたから無理もないだろう。
「なぁルリィはどこにいるんだ?」
ローグは一人に一人の子供に話しかける。
すると今度は悲しそうな泣き顔になる。
「る、ルーおねぇ、ちゃんは連れ、ていかれた」
「っマジか」
ローグは悔しそうな顔になる。
「おにいちゃん、お願い、るーおねぇちゃんを助けて」
一人がそういうのを皮切りにローグに子供たちが懇願する。
「安心しろ、ルリィは俺が助けてやるから」
そういうと子供たちは安心した表情になる。
「好かれているのね」
ルーアさんはとても意外そうな表情になる。
「まぁ2週間毎日顔を合わせればある程度信用してくれるさ」
「それだけじゃないよ、ローグ兄ちゃんは毎日絶対助けてやるって言ってたから」
ローグは照れ臭そうに横を向く。
「……俺は何もできなかったけどな」
どうやら彼も彼女たちを助けようとはしていたみたいだ。
「それでルリィがどこに連れていかれたか知っているか?」
「え~と、りょうしゅの場所だって」
「変な二人組がルーねぇを抱えて出ていったんだよ」
「どっちに行ったかわかるか?」
「あっち」
指差されたのは僕たちがやってきたのとは反対側だった。
「どうするアーク」
「二手に分かれよう」
この子たちを連れて戻る組とルリィさんを探す組に分かれる。
「無茶すんじゃねえぞ」
「そっちも気を付けてね」
ルリィを探す組は僕とルーア、ローグ。
子供たちを連れて来た道を戻るのはオルド、ソフィア、カリナ、リズだ。
それぞれが動き出す。
俺達は牢屋を破壊しガキどもを連れて来た道を戻っている。
「それでどうする?外には大勢いるぞ」
倉庫内には労働する冒険者たち、外には見張りの門番と衛兵が多くいる。
魔法が使えない子供を連れて行くのは無謀だ。
「そうですね……リズ、貴方ならだれにも見つからずに外に抜けることはできますか?」
「できるよ~」
「でしたら私、カリナ、オルドはこの通路で待機、その間にリズが外に出てエルフの人たちを連れてくるでどうでしょう?」
「エルフの大人を連れてどうなる?」
まさか全員殺すわけじゃないだろう?
「彼らは魔法が得意です、一度ここに戻って来てもらい、何とかしてもらいましょう」
「……そうだな、私たちがここに居ても何もできないからな」
ということでまずは倉庫の中を確認する。
「うん、大丈夫みたい」
隙間から除くがまだ人は入ってきていない。
「ごめんなさい、リズ。危険なことをさせてしまって」
「ううん~問題ないよ、これが最善なのはわかるから~」
そう言うと外から床が閉められる。
「じゃあ、みんな少しの間待っていてね」
私は倉庫の窓から抜け出し、門へと向かう。
その後無事にエルフと合流したリズはエルフに説明、その後現場周辺の人すべてを眠らせて無事救出成功した。




