こういう時こそ冷静にならねば
「っはぁああああ~、ダメだ出口なんて見つかりもしねぇ」
グゥウウウウウウ
ある程度動いたら当然お腹もすいてくる。
「たく、亜空庫が無ければ餓死しているぞ」
ということで亜空庫から牛串を取り出す。
「んぐ」
(しかしどうするかな、やっぱりもと来た道を戻るか?道中の土砂はバベルをスコップ代わりにして掘り進める?………だめだな多分開通する前に餓死する)
『真龍化』で駆けた道はかなりの長さがあった。
あれがすべて埋められているなら時間がかかりすぎる。
(食料からしてだいたい10日ほどそれまでに脱出するようにしないとな)
「ほんとうにどうしよっと」
食べ終わった串を水に放り投げる。
串は木で出来ているため水に浮く。
そして俺の視線の先でゆっくりと流れていく。
「…………あれ?」
俺は一つの可能性に突き当たる。
もう一度潜り串を追っていくと、ある場所で回り始める。
「すぅうう~~、ふっ」
そのまま一番下まで潜る。
すると微かにだが水が流れていくのがわかった。
(ここから水が流れて行っている……となると)
確信を得るために水面に上がる。
「するとどこかに」
亜空庫から牛串を何本か取り出し、急いで食う。
そして何もなくなった串をいろんな方向に投げて、流れていく方向を確認する。
(水が流れて行っている、けど水位は変わった感じはない、だとすると必ずどこかから供給されているはずだ)
水は上から下に流れていく。水が供給されているところから登っていけば必ず上のどこかに出るはずだと踏む。
串の流れを見ると規則的に流れて行っているのがわかる。
「あそこらへんか」
もう一度潜り串が流れていく反対方向をくまなく調べる。
(……ここか!?)
とある岩場の影に穴が開いているのが分かった。
(光が届かない場所だから、気づかなかった……)
光っている鉱石を手に取り穴をよく観察する。
(方向的には斜め上に上がっている……少し長いな)
となると若干の準備が必要だ。
一度島に戻り、様々な金属を取り出す。
「『改編』」
そして一つの機械を作り出す。
「早速試してみるか」
二つある取っ手の部分を掴み、水の中に入れる。
そしてこの状態でユニークスキルを使う。
ゴポ、ゴポポポ
「よかった成功か」
俺が作ったのは水から酸素を作り出す機械だ。
原理は電気分解を使っている。水素と酸素を作成するやつだ。
(たしか海外のスキューバでもこんなのがあったっけな)
無論外見は塗装などは一切してない。
お次に光っている鉱石を集めるそしてこれらを簡単にはめ込める鉄の棒を作る。
これはライト代わりにするための物だ。
形も工夫し全体を照らし出せるようにした。
「ほんとうならウェットスーツでも欲しいところなんだがな」
無いものを欲しがっても意味がないので早速行動に移す。




