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【旧作】冷徹公爵の異世界人生~助けてほしいだと?なら見返りは?~  作者: 朝沖 拓内
第一章 こうして転生し盤石な人生を手に入れる
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学園よりもダンジョンだろ

二人が帰った後、父上の執務室に訪れる。


「父上、グロウス学園とはどんなところですか?」

「そういえば話してなかったな、簡単に言うと貴族が通う学院だ」

「……もう少し詳しく」




グロウス学園、それは貴族の子弟が必ず通う必要がある学園だ。


この学園では様々な知識を教えてくれる。


歴史、経済学、帝王学、薬学、武術、魔術などなどだ。


まずは7歳~10歳まで通う初等部、これは全員で同じ内容を学んでいく。


話を聞く限り普通の小学校とおんなじ感覚だと思えばいいみたいだ。


次に中等部、これは10歳から13歳まで通う。


中等部になるといくつかのコースに分かれてそちらで学ぶことになる。


貴族は武術部、魔術部、経済部の3つが主流らしい。


まぁこれは中学と高校のようなものだと思っていいだろう。


そして高等部になるとさらに細分化されその分野の研究などが行われるようだ。


これは13~16まで続く、ちなみにだけどこの国は15歳で成人とされている。


そして高等部は大学と大学院を合わせたような形らしい。


「それでも2年後の話だから今は考えなくてもいいさ」


ということでこれは当分先の話だろう。










グラキエス家が帰ってからしばらくしたころ。


カラン!


「今回も某の勝ちでござるな!」


おれは相も変わらずリンにしごかれている。


「……やっぱりレベル上げに行った方がいいか?」


さすがにレベルを上げないで強くなるのには限界を感じてきていた。


「レベル上げならダンジョンに潜るのがいいと言われているでござるが……」


ダンジョン、異世界の定番と呼ばれるそれはもちろんこの世界にもあった。


「詳しく知っているのか?」


すると自慢げに話してくれる。


「まずはダンジョンと言っても様々なものがあって、洞窟のようなダンジョンやなぜだか空があるダンジョンもあるようです」


そこらへんの知識はある程度持っている。


「次にダンジョンには必ず魔物が生息している」


魔物とはこの世界に蔓延っている獣の一種だ。正確に言えば魔法を使うことができる不可思議な生物だ。


レベル上げとなるとこいつらを倒すのが効率がいいとされている。


「そしてダンジョンに欠かせないものといえば財宝でござる!」


ダンジョン産の財宝。金塊、宝石、ほかにも様々な魔法の武器や魔法のアクセサリー、果てはユニークスキルまでもが出るといわれている。


「某も放浪していたころ入ろうとしたのでござるがギルド同様、年齢で入れなかったでござるよ」


ダンジョンはその領地の資源とされている。


一応は領主に所有権があるのだが、管理はギルドがしているという奇妙な構図が出来上がっていて、たとえ領主の血縁でもギルドのルールに則らなければ。


「そういえばこの領地にもダンジョンがあったな」


俺は以前、父上が頭を悩ませていた案件を思い出す。


「ダンジョンと言ってもある程度の大きさが国から認知されないと意味がないからな」


ダンジョンにも大きさがあり、発生してから年月がたつほどダンジョンは大きくなっていく、成長していくと言ってもいい。


大きいダンジョンであれば危険は大きくなるが、同時に財宝などの種類と量も増えるのだ。


反対に小さいダンジョンだとそれなりしか取れないのだ。


「たしか……領内に発生したのだが規模は小さくてどうしようか悩んでいる奴だったかな」


一つの考えが思い浮かぶ。


「どうしたでござるか?」

「リン、ダンジョンに行くぞ。ついてこい」


俺は父上の執務室に入る。


「父上、ダンジョンの案件は俺がやります」

「ブッフー!」


どうやら父上はティーブレイクをしていたみたいだ。


「ゲホッ、急にどうしたんだ」

「いえ、ダンジョンに行ってみたいのですが、ギルド管理の場所だと入場すらできないじゃないですか、なら未だ認定されていないダンジョンに行けばいいと考えまして」

「…確かにバアルの年齢じゃあ引っかかってしまうな」

「では」

「だがダメだ」


父上はすぐに行くことを許してくれない。


「さすがにお前たちだけでは危険すぎる」

「では騎士から数名拝借して安全を確保しますので」

「それでもだ」


ならば切り札を使うとしよう。


「………では許してもらえるのなら1週間父上の仕事は俺が代行しましょう」

「それに一つ条件として1週間以内に帰って来るなら許そう」


もう少し粘るかと思ったが案外簡単に許してくれた。


「わかりました」


俺はさっそく行動を開始する。


自室に戻りある手紙を書く。


「リン、これをイドラ商会に届けてくれ」

「わかり申した」


リンにお使いをさせる。


そのあとに騎士たちの寄宿舎に向かう。


「ラインハルトは居るか」


俺は顔なじみの騎士を呼び出す。


「どうしましたかバアル様」


現れたのは金色の髪をした騎士だ。


「お前、これから1週間のうちに重要な仕事は入っているか?」

「いえ、ありません、しいて言えば町の近くに大型の魔物が発生した場合に緊急で対応することがあるくらいです」

「では、ラインハルトこれから1週間俺の護衛を命じる」

「失礼ですが領主様の許可は」


騎士たちの主人は父上だ俺の命令を絶対に聞く必要はないのだ。


「取ってある」


こうなることを見越してすでに許可は取ってある


「わかりました、このラインハルト、バアル様の御身をお守りします。」

「では日が落ちるまでにすぐにでも出立できるように準備をしろ」

「はい!失礼します」


ラインハルトは荷物を用意しに行った。


そのあと俺も自分の部屋に戻り必要な手紙や指示書を作成しておく。


しばらくするとリンが戻ってくる。


「すぐに出る、用意しろ」

「急でござるな」

「時間制限がある以上、時間を無駄にするのはバカのすることだ」


ということで準備を急がせる。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「父上、グロウス学園とは何ですか?」 父親の書類仕事も手伝っているのに、一般的な教養として、グロウス学園の概要も知らないの。
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