なんでこんな場所に?
俺の今いる浮島は石畳が敷き詰められておりその先には鳥居と小さな神社が建てられてあった。
「……変な場所だよな」
中に入ってみるが日本で見たことのあるような神社だった。
「何を祭っているかも不明だな」
石像が破壊されていてよくわからない。
神社の周囲を回ってみると不自然な部分が一つあった。
「なんだこの窪み」
岩の一部が削られて祭壇のようになっている。
「……台座だけか」
明らかに何かを置くような場所があるがその部分が空だ。
残念ながら原形を知らないので何が入っていたかわからない。
「面白い場所だが、そろそろ外の道を探さないとな」
コツン
動き出そうとすると足に何かがぶつかった。
「……なんだこれ?」
転がっていたのは何やらひび割れたビー玉が転がっている。
―――――
壊れた精霊石
★×1
精霊が住み着いていた精霊石。だが壊れてしまい精霊が住み着けなくなったもの。
―――――
不思議に思って鑑定した結果、これは精霊石だと判明した。
「そういえば、俺も一つ持っていたな」
亜空庫から『空の精霊石』を取り出す。
「……使い道もないし、これで勘弁してくれ」
俺は持っていた精霊石を嵌めこみ、壊れた方は亜空庫に仕舞う。
「さて出口を探すか」
リィン、リィン
いつも通りジャック・オー・ランタンを呼び出し灯りを出してもらう。
「すまない、今回はまだ消えないでくれ」
………コクン。
出口を探すにつれて灯りが多数必要になる。
ちなみにだが光っている鉱石を鑑定した結果。
―――――
碧輝晶アヴィレガス
★×5
地底の奥深くに眠る輝晶の一種。この輝晶が出来上がるにはいくつかの珍しい条件が重なった場合のみで、かなり希少な好物だ。さらにはミスリルなどと同様に魔力を含んでいるため、魔術触媒としても使える。
―――――
この鉱石はかなり希少な物だと判明した。
もちろん輝晶なのである程度の数は回収する。
だが、光源には心もとないのでジャック・オー・ランタンを使っている。
「さて、落ちてきた場所は………無理だな」
灯りを落ちてきた穴辺りに浮遊させて確認するが。土砂で埋め尽くされている。
「となると、ほかの部分なんだがな」
灯りを周囲に満遍なく広げているけど出口らしいものが見当たらない。
「上にはない、横にもない、となると……」
澄み切っている水の底を観察する。
「やはり潜ってみないとわからないか」
というわけでパンツだけ残して服を脱ぐ。
(まさか寒中水泳する羽目になるとは思わなかったぞ)
寒さを感じながら水の中を泳いでいく。
(さすがに灯りが少ないから見えにくいな)
一応、水面上に灯りを置いて見やすくはしているのだが、効果はあまりなかった。
(にしても本当にきれいな地底湖だ)
水中にもうっすらと発光している部分がありそれがほんのりと水の中を照らしている。
それらを頼りにどこか横穴があったりしないかを探す。




