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まさか、はぐれた?俺が?・・・・まさか~

「ちょっと落ち着きなさい!!」

「ですが、バアル様が!」

「今あなたが戻っても意味ないでしょう!」


私は今来た道を戻ろうとするリンさんを必死に止める。


「お二方、落ち着いてください。ここで騒いでも意味がないですよ」

「っっ」

「考えてください、バアル殿が我々とはぐれたと知ってもと来た道を戻るでしょうか?」

「……戻らないですね」


リスクを考えて戻る選択肢は取らないとリンさんは言う。


「そうでしょう、でしたらバアル様も前に進んでいるはずです」

「そうよ、この洞窟は入り組んでいるみたいだし、前に進めば見つかるかもしれないわよ」

「っ………わかりました」


何とかリンさんは冷静になってくれた。


「では急いで進みますよ」

「あっちょっと」


先走るリンさんを追って私たちも洞窟を進む。
















リィン、リィン


「じゃあいつも通り頼むな」


コクン


先ほどまではユニークスキルで帯電していたことにより光源を確保していたが、それでは魔力消費が激しすぎる。


なのでコストパフォーマンスが高いコール・オブ・ジャックで灯りを作り出していた。


7つの明かりを出し終わるといつも通りジャック・オー・ランタンは消えていく。


「さてあいつらと合流するにはどうしたらいいか……」


悩みながら足を進める。


(戻るのはあの百足どものせいでリスクがある。そしてどこではぐれたかも俺は分かっていない………となると前に進むしかないか)


もちろん毒ガスや酸素があるかなどの心配はあるが俺に取れる手段は進むしかない。


それになにより


「出口も分からないんじゃ、どっちに進んでも同じだよな………」


クラリスたちが魔力を辿って帰れる、と言っていたので帰り道も記憶していない。


「はぁ~~なんか冬に入ってから不運が続いているな」


いままでを思い出す。


(急に王宮に呼び出され、断ったら商人がおいしい話を持ってくるし、それでノストニアに言ったらクラリスに殴られそうになるわ、なんやかんやあって誘拐組織を潰すことになるわ、終いには洞窟で迷うわで)


もう本当になんだかな。


「……まさかこれ以上不幸にはならないよな」


まさかと心の中で思いながら先に進む。






ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ







背後から嫌な音が聞こえる。


「あ~振り向きたくない」


仕方なく振り向くと大量の土砂が天井から降って来ていた。


「っ『真龍化』」


即座に身体強化で駆け抜ける。


「なんなんだよ!!!!!!」


ここが明るい場所なら『飛雷身』で飛べるのだが真っ暗で見えない状態により使うことができない。


宙に浮いていた灯りは『真龍化』したスピードについてくることはできずに土砂の中に消えていく。


そして今ある光源は自身の雷しかないのだ。


なのでそれですべてを照らせるかと言われると否だ。


帯電はしているが光量がとても不安定になり、それゆえに時折視界がひどくなる。


「っはぁ!?」


踏み外す感覚を感じる。


そのまま勢いのまま転がっていき、どこかに放り出される。


「なに、が、ブッ!?」


ドポン!!


自由落下していくと水に落下した。


「ブハッ!?」


水面に出ると顔を拭い状況を確認する。


周囲は青白い鉱石が光っており状況が確認できる。


「……俺はあそこから落ちて来たのか」


俺が落ちてきた場所であろう穴からは大量の土砂が落ちてきている。


とりあえず水の中を移動して浮島見たくなっている場所に移動する。


「ふぅ~服がびしょびしょだ」


亜空庫から代えの着替えを取り出しこの場で着替える。


「にしてもなんでこんな場所があるんだ」


この空間は明らかに人工の場所だった。

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