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雪山の洞窟にて

雪山の中を駆けていくと断崖絶壁の一部にたどり着いた。


「魔力はあそこにつながっている」


クラリスの指さす場所には洞窟があった。


「空を飛べるならではか」


崖を見上げ、大体の距離を測る。


「……100メートルほどか」

「どうやって上がりますか?」

「聞く必要もないだろう」


俺は『飛雷身』で洞窟まで飛ぶ。


「もう、本当に……」


何かつぶやいてからリンも風を纏って上がってきた。


「お二人は大丈夫でしょうか」

「……大丈夫みたいだ」


下を見てみると崖に矢を射て足場にして、駆けあがってくる二人が見える。


「まったく、変に魔法とかを使わないでよ」

「そうですよ、今回はユニークスキルだったから魔力があまり要らなくて助かりましたけど」

「それはすまないな」


俺は崖に刺さっている矢を見る。


「何で矢を足場にできるんだ?」


少し力を入れたら折れるほどの矢なのに足場にできている。


「矢に魔力を籠めたからね、魔力が抜けない限り硬いままよ」


そう言い、魔力を籠めた矢を渡してくる。


「……確かに硬い」


まるで鉄でできた矢のようだ。


「……おっと」


だが次第に柔らかくなっていき最後は折れた。


「時間にして30秒か」

「加えた魔力によってはさらに短くなるけどね」


疑問が解消されたところで先に進む。








「天然の洞窟じゃないなこれは」


中を進んでいくと篝火や炬火を置くような場所が多々ある。


それに道も通りやすいように一本道になっている。


(もし俺が相手ならそろそろ罠を仕掛けるが)


入り口から程よく離れて暗くなっている、いまはウライトが火の玉で照らしているとはいえ隅々まで照らしている訳ではない。


(入り繰りからある程度進んで、何もないとわかれば警戒心も薄くなる)


油断を誘うには絶好のタイミングになるが………


ビシュ!


「ふぁあ~」


ジャギン!


「ふむ、人の罠はこのような物ですか」


ゴォオオ!


「見え見えですよ」


クラリスは飛んできた毒矢を手掴み、ウライトは横から出てきた鎌を火で溶かし、リンは『流水の籠手』で生み出した水で炎を防ぐ。


ガゴン!


「おっと」


落とし穴を作動させてしまったので前方に『飛雷身』で飛び回避する。


こうして俺たちはいちいち解除なんてまどろっこしいことはせずに体を張って突き進んでいく。








「ここって……」


程よく進むと広い空間に出た。


(…………天然の鍾乳洞だなこれは)


ピチョンと水が落ちる音が聞こえてくる。


「この場所を知っているか?」

「いえ………こんな場所があるなんて」


クラリスやウライトもこの場所は知らなかったようだ。


「どうだ、まだ追えるか?」

「……少しだけ微妙になるわね」

「そうですね、虫や蝙蝠がいますので今までよりは精度は落ちます」


ということでここからは慎重に進む。


「リン」

「わかっています」


ここからはリンの足具も使っていくことになる。






















「たく、なんでこんなに虫が湧くんだよ!!」


俺達は現在百足の群れに囲まれている。




――――――――――

Name:

Race:強襲百足(アサルトセンチピード)

Lv:7~9

状態:空腹

HP:240/240

MP:120/120


STR:20

VIT:35

DEX:30

AGI:15

INT:5


《スキル》

【牙:7】【蛇行:7】【熱感知:11】【硬化:22】【壁走り:7】【穴掘り:19】

《種族スキル》

【退くこと知らず】

《ユニークスキル》

――――――――――



ステータスはそこまで高くないがとにかく数が多い。


魔力で追跡している関係上、範囲攻撃はできないし。


「ふっ」


スパン!


「はぁ!」


ゴン!


リンの斬撃は百足を両断し、クラリスの拳は百足を粉砕する。


俺もバベルで振り下ろすが……。


ガゴン!


鈍い音を立てて百足を砕く。


「チマチマとしてられないのに」


部屋全体を埋め尽くすほどの百足がいるのに、さらには横穴から続々とおかわりが出てくる。


「まずいですね、このままだと百足たちの魔力で埋め尽くされます」

「……ウライト、今見えている道筋を覚えろ」

「どうするつもりですか?」


言わずともわかるだろう。


このままでは全滅だ、なら捜索を中断してでも助かる方がいい。


「『真龍化』『怒リノ鉄槌』」


広範囲攻撃は使わず、単体の処理速度を上げる。


「は!」


軽く触れただけでそこから灰になっていく。


「ではこちらも『蝕風』!!」


リンは薄黒い風を放つ。


キシュウゥゥゥゥゥ!


その風に触れた百足は風に纏われ体の外側から削られていく。


「おい、リン、魔力はあまり使うなよ」

「わかっています」


風は連鎖していき多くの百足を削り取る。


「埒が明かない、このまま突っ切るぞ、どっちだ!」

「こっちよ」


俺達は無理やりに百足の群れを突っ切る。


「こっちに来るんじゃねえよ『天雷』」


追いかけてくる百足に特大の電撃を喰らわせる。


「ちょっと!?ここが崩れたらどうするのよ!?」

「何もしなかったら追いつかれるんだ、一応地面に影響が出にくい雷属性を使ったんだ文句を言うな」


それから俺たちは各々で全力で移動して百足の群れを振り払う。


「はぁはぁはぁ、ここまでくれば問題ないだろう………………あれ?」


後ろを振り返るが誰もいない。


「……はぐれた、のか?」


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