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とある便利な魔道具

「ええ、至急必要なんです…………仕方ないですよ、無論貸しと思ってもらって結構ですよ……………ええ、ではお願いします」


電話である人物と会話をする。


「受け取り場所に来たら連絡お願いします」


電話を終わるとアルムに向き合う。


「さて、これで仕込みは終わったぞ」

「そうだね、あとは結果を待つのみだ」


そういうと俺たちは笑い合う。


「にしてもここまで大がかりになったのか」

「まぁ仕方ないだろう、これぐらいしないとお互い橋を架けることはできない」


俺達はこれから結果が出るまで動きを止めることになる。










「バアル様、例の物をお届けに上がりました」


受け渡しの場所にルナがやってきた。


「またお前か(グラス、もう少しいい人材を派遣してくれよ)……それで物は」

「なんか今貶された視線を感じたのですが……で、これになります」


ルナはバッグから包みを取り出す。


「そうそう、これだ」


中を開くと要求したものがきちんと入っていた。


「未だにそれ一つしかないので注意してくださいよ」

「わかっている、それとお前もノストニアに入ってもらう」


俺はチョーカーを渡す。


「……またこき使われるのですね」

「当たり前だ、何のために給金を貰っているんだ」

「割に合わないんですが……」

「それは俺じゃなくグラス殿に言ってくれ」


そういうと何やらぶつぶつと言っているが気にせず移動を開始する。







「それで、どういう状況になっているのですか」

「今はな―――」


ルナに現状のことを説明する。


「なるほど、裏切り者ですか」

「正確には要る可能性が非常に高いということだな」

「バアル様がそう考えるならいるでしょう」


毎度思うんだが、なぜだかルナからある程度は信用されている。


「なにせ卑怯なことが得意なバアル殿です、誘拐犯の動向も予想するのが楽なのでしょう」

「なぁ、ここでお前を処罰してもいいんだが」


俺の言葉でリンがカチッと刀を鳴らす。


「も、もちろん、じょ、冗談ですよ」


うろたえ方が本当だと言っているようなものだ。


「しかし、これはすごいですね」


ルナは現在、髪の色が金色になり、耳がとがった姿になっていて、傍から見れば完全にエルフだ。


「で、私はそこでどう動けばいいですか」


ノストニアに入ってもらったのは俺の手駒になってもらうつもりだからだ。


もちろん、ルナもそれは分かっている、だからこの発言をした。


「それはあとで説明する、とりあえずは急ぐぞ」


今が例の物を持ってアルムの元へ急ぐ。


(これで確証が手に入れば、あとはすんなりと行くことができるだろう)












「で、どうだった?」


再びアルムの部屋に来ている。


「顔色が悪いね、彼らは白だったかい」

「………黒だった」


俺が行ったのはマークしていた人物の尋問だ。


「グロウス王国には便利なものがあるんだな」


アルムは俺の手の中にある物を見ている。


俺が電話していた相手は近衛騎士団長グラス殿だ。


そして内容が以前俺に使った嘘を見破る魔道具の貸し出し。


最初は渋っていたがエルフの内情をある程度話し協力してもらった。


だから簡単に尋問することができた。


「じゃあその表情は?」

「………」


アルムは俺の表情を見て疑問を持った。


本来であればこれで敵組織の尻尾を掴み、これからってときなのだ。


「なにがあった」

「実はな―――」

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