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全員の動き

『――ということで現在、全員に役割を振り結果を待っている状態になっています』

「ご苦労、ラインハルト」


ノストニアに向かう馬車の中でラインハルトと連絡を取っている。


本来ならここでは連絡の魔道具は使えないのだが、アルムが魔道具を配布してくれたことにより、道中の数か所に道具を設置すれば使える状態になっていた。


「一応、配員を教えてくれるか?」

『はい、エルダ殿は教会の幅広い伝手を使い情報収集と事態の処理、噂の拡散、ジェナさんはエルフ数名を連れて誘拐していると思わしき組織を調査』

「どうやってだ?」

『エルフの魔力を見る能力を使い、エルフの反応があった者から拉致拷問で情報を集めています』


さすがエルフ優秀な能力だ。


なにせ言い逃れない証拠が彼らには見えているのだからな。


『続けてもよろしいですか?』

「ああ、頼む」

『ガルバ殿は裏オークションに参加しエルフが売買されているか確認、そしてもし出品されていた場合は買収する手はずです』

「そこから尻尾を掴めるかもしれないか」


救済という面が大きいが、俺からしたら副産物の情報が重要だ。


『そしてデッド殿とベルヒム殿には情報の精査するそうです』

「まぁ妥当だな」


裏の騎士団は限られた存在しか知らない、当然ラインハルトにも知られてはいけない。


それゆえに裏方に徹するしかない。


「(まさに()だな)それでアークたちはどうしている?」

『予定通り、アネットを連れてノストニアに向かっています』


これを聞いて思わず笑みを浮かべる。


「予定通りだな」

『しかし本当にうまくいくのでしょうか』

「さぁな、そこはあいつらの正義感に期待するしかないな」


上手くいけばエルフの大々的な印象変化が促せる。


『こちらからの報告は以上になります』


そういって通信を終える。


「ということだ、こちらの動きは理解したな?」

「ああ、それでは次に私たちが動く必要がありそうね」


俺は対面にいるクラリスに話を振る。


「しかし、そんな大きく動いてトカゲの尻尾切りにならない?」

「ああ、だから教会と貴族の力を使う」


手段としてはこうだ。


まずはジェナとエルフ達が組織から情報源を拉致、その後チンピラがトラブルを起こし騎士が捕縛したという嘘の事実を教会に流してもらう。


これにより騎士たちにより素行の悪い奴らが逮捕され、それがたまたま組織のメンバーだったと判断するようになる。


「だけどその策だと頭の回る人物は違うと気付かない?」

「もちろん数人は気づくだろう、だが真っ当に生きれない奴がそこまで頭は回ると思えない」


この世界で教育を受けた人物は貴重だ、ほぼ全員が真っ当に生きられると言っても過言ではない。


ということは必然的に裏の世界にいる奴らは大半が教育などを受けていないことになる、もちろん不幸にもそちらに落ちた奴もいるだろうがかなりの少数だろう。


「それに頭のいい奴がいくら言ったってバカは理解しようとしないだろう?」


前世でも知能が低い奴と高い奴は馬が合わないと言われていたしな。


「たしかにそういわれると問題ないような気がしてきたわね」

「ああ、それよりもそっちも手はず通り動いてくれよ」

「任せてちょうだい」

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