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戦う理由が悔しいから…はぁ~

「『刃布の舞服』」


クラリスは(アーツ)を使用し、服の一部が変化した。


全体的に白くなり、袖の部分が長く伸びる。


「『赤ノ演舞』」


最初から何かしらの(アーツ)を使用する。


白色部分に赤色が混ざりその部分から炎が噴き出す。


「やぁ!!」


腕を振るうと袖が鞭のように押しかかってくる。


スパン


屈み、それを避けると後ろに合った樹が切り裂かれる。


それは刀などの跡に似ていた。


クラリスは一撃では止まらず、踊るように連撃を繰り出してくる。


袖だけではなく、拳や足技でも攻撃を繰り出してくる。


攻撃は苛烈と言っていいほどだが一切隙が無いわけではない。


(……妙だな)


以前戦った時はもっと速かったし力もあった。


とりあえず様子見で隙を付きバベルを振り下ろす。


ニヤ


「!?」


すると赤く染まった場所から炎がうねり上がり攻撃してくる。


その姿は舞の邪魔をするなと言わんばかりだった。


「はぁ!」


キィン


だがクラリスの攻撃を防ぐ際には炎は出なかった。


「……『飛雷身』」


次は死角に飛び、そのまま攻撃しようとするのだが。


「無駄よ」


再び炎が巻き起こり反撃してくる。


「さあ、新しいこの力で前回の借りを返すわ!!!」

「……………」


見極めるとか言っていたがただ単に全回負けたのが悔しかっただけか……………


なんかそう思うと、とたんに力が抜けてきた。


「はぁ~」


真剣にやるのも馬鹿らしくなってそのままユニークスキルを解く。


「………どうしたのよ」

「いや、クラリスの戦闘に合わせようと思ってな」


新たにバベルを構えなおす。


「…………」

「じゃあ始めよう」


するとどちらが合図したでもないのに、自然と同時に動き出した。







それからの戦いはまるで演武だっだと後に見学していた者は語った。


桃色の髪は鮮やかに舞、白い衣装を揺らし。


金色の髪はそれを受け止め、趣ある古代の槍を振り回す。


半ばに炎が起こり、度々稲光が輝く。


白と赤と黄の色が混ざり合い、緑の森を色づけていく。


だがそんな時間も次第に終わる。







本当にめんどくさい。


リンの本気の稽古よりはまだましだが、それでも気を抜けない。


なにせユニークスキルを解き、多少の【身体強化Ⅱ】のみで相手をしているのだ。


(にしてもこうすると炎は出ないのか)


なぜだか炎は真正面から打ち合っていると一切襲ってこない。


予想するに死角からの攻撃に自動カウンターを放つものだろう。


「考え事をしてていいの?」


クラリスは長くなった袖を振るい切り裂こうとする。


それをバベルで防ぐと今度は懐に入り込んで掌底を打ち込んでくる。


何とかバベルの柄の部分で防ぐと『放電』で反撃するのだが。


一度使ったことがあるので予想していたのか即座に距離を取る。


「いい加減一撃くらい受け止めなさい」

「嫌だよ」


だって拳はうっすらと光っている、つまりは技を使用しているのだから。


このままではお互い有効打がないまま戦闘が続くことになる。


(………すこし卑怯だがやるしかないか)


「我が時間は他の者とは異なる、『加速』」


使ったのは自身の反応速度を上げる時空魔法だ。


似たようなのが炎属性、真逆のが氷属性に存在するがそちらとはまた違う魔法だ。


「!?」


反応が上がったので拳が鮮明に見ることができる。


殴りかかった拳を掴むとそのまま、『放電』で気絶させる。


奇しくも以前と同じ結果になった。

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