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久しぶりの再会

そして現在、俺はガルバの案内でノストニアに一番近い村に向かっている。


なんでもそこで連絡を取ることができるのだとか。


「それを知っているのはお前だけか?」

「いえ、もう一人その村の牧師ホーカスが知っております」


報告書にあった名前だ。


それから何日かかけて予定の村へ到着した。







「で、これがか?」


村にある小さな教会の中である物を見せられている。


「なんの変哲もない手紙に見えるが」


目の前にあるのは普通の白い紙に見える。


「なんでも使い方はこの紙に伝えたいことを書けば、インクが飛び立ちあらかじめ用意していたもう一枚まで届くのです」


ガルバが紙に相談がしたいので合流できないかという言葉が書かれてそのあとに暗号らしき言葉がそえられていた。


「これで返信を待つのみです」

「実に簡単だな」


そしてファンタジーだな、インク自体が動き鳥の形を取るとそのまま空に飛んでいった。


「大体どれくらいで返事が来るか聞いたか?」

「はい、天候などにもよりますがおおよそ二日で返事ができるらしいです」


ということでそれまでは暇になる。






本日は村長の家に泊めてもらうことになった。


「しかし、どのように交渉をするつもりですか?」

「まぁ……そうだな…………」


頭で何通りかの交渉を考える。


(一番成功確率が高そうなのが、バカやった奴らを人身御供にすることかな?)


エルフとしても被害をだした人物の生殺与奪を交渉に出されればさすがに頷くだろうし。


ただ……


(それだと、こちらの立場が下だと思われるのがデメリットだな)


これだと譲歩しすぎて相手が格上だと思われる可能性もある。


(次に金品、もしくは物資、関税の優遇か)


これだったらある程度は問題ないだろう、問題を起こして悪かったという体裁を取れる。


(あとは何かしらの貸し(・・)ということで大目に見てもらう)


ただこれはリスクが高い、いまだに国交がない状態、つまりは信用がない状態でこのような対応は真実味を帯びにくい。


ましてはすでに問題を起こした側なのだから、最悪国交が悪手だと思われる可能性もある。


(あとは多少の領地を受け渡す、闇組織の完全破壊、あとは王族関係者から有力者に女性をあてがうぐらいか……)


エルフの情報があまりにも少なすぎて最適な手立てがあまり思い浮かばない。


「案外、戦った方が理解できたりしませんか?」

「そんな……物語じゃあるまいし……………」










ドン、ギャン、バゴン、ズン


連絡をした4日後、合流地点にて壮絶な戦いが巻き起こっている。


「なんでこうなった…………」


噂をすれば影が差す、嘘から出た真、フラグが立つなどの言葉が思い浮かんでくる。








2日前に返信がきた。


内容は、話し合いには応じる、こちらが指定する時間に指定する場所を訪れてくれ、というものだ。


それから2日後に俺とガルバ、護衛にリンとラインハルトの四人が指定された場所に向かっている。


「にしてもこんな何もない場所に呼び出されるのか」


指定された場所は村から北に少し移動した場所で俺たちは相手が来るのを待っているのだが。


「いるな」

「ええ、ですが友好的かと言われると……」


リンの言う通り遠巻きから俺たちのことを窺っている奴らがいるのがわかる。


(まぁ警戒はするわな、逆にしないならどれだけ警戒心がないのかって話だよな)


ということで向こうが警戒を解いてくれるのを待つのだが。


(なんかおかしい、空気がピリピリしてきた)


ギィン


すると視界の隅でピンク色が現れたと思ったら黒色が目の前に出て攻撃を防ぐ。


「何でここにいるの!!!」

「バアル様!!」


リンは刀で振り払い距離を取らす。


後ろに飛んだ存在を見て、これは失敗したなと心の底から思ってしまった。


なにかしらの金属でできた手甲に、鮮やかな桃色の長い髪。


「で、これはどういうことかしら、バアル」

「…………久しぶりだなクラリス」


目の前に現れたのは共にダンジョンを攻略したクラリスだった。

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