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怨みに知性など期待するな

「リン、少しの間代われ!!」

「!?わかりました!!」


リンはユニークスキルで空を飛び俺の元までくる。


「攻め続けて相手に攻撃の手段を持たせるな」

「承知!!」


すぐさま『飛雷身』でセレナと狼の元へ飛ぶ。


「いいかよく聞け、今からスケルトンを一掃する」

「え?でもバアル様は光魔法は使えないんじゃ?」

「確かに魔法は使えないが手段ならある」


バベルの【怒リノ鉄槌】を解き、バベルを前に向けて


「『聖ナル炎雷』!!」


特大の『聖ナル炎雷』を使い薙ぎ払う。




基本的に『聖ナル炎雷』はなかなか使う機会がない。


威力と魔力のコストパフォーマンスはユニークスキルの『天雷』のほうが格段にいいのだ。


だが今回はアンデッドに雷属性は効きにくい、それに比べて火属性と光属性を持つ『聖ナル炎雷』の方は良く効く。





『聖ナル炎雷』でスケルトンを薙ぎ払う。


すると全員がバラバラに崩れる。


「『慈悲ノ聖光』」


最後に一度も実戦で使ったことのない技を使う。


『慈悲ノ聖光』を浴びると崩れたスケルトンたちは灰になって消えていった。


「……こんなのがあるんならさっさとしてほしかったのですが」

「仕方ないだろう、リッチが結構強かったんだからな」


本来なら俺がリッチを押さえている間にリンたちがスケルトンを片付けて、援護に来てもらう考えだったんだが。


「それにしても最後の光は何ですか?」

「武器のスキルで『慈悲ノ聖光』と言うものだ」


正直使い勝手はかなり微妙なのだ。





『慈悲ノ聖光』これは全方位の無差別回復なのだ。つまり戦闘中に使えば敵すらも回復し、戦闘以外で使う場合数によるが普通に回復魔法を使えば済む話なのだ。


今回はアンデッド、それも【不死】を持っているから使えた手段で、普通はほぼ使う機会などないのだ。






「さてこれで最後の一体になったな」


残りは元凶であるリッチのみ。


『くっ、もう一度呼び出せばいいだけで』

「させませんよ」


再び詠唱しようとするのをリンが邪魔する。


刀を光の盾で防ぐのだが、続けて風の斬撃が襲い掛かり、リッチは詠唱を中断せざるを得ない。


「もうあきらめろ、ここまできたらお前に勝ち目なんてねぇぞ」

『……本当にそうだと思うか?』


すると背中が冷たくなる。


『私の目的はバアル・セラ・ゼブルスの破滅、ただ一つだ』


するとこの空間に死に際の叫び声らしきものが聞こえてくる。


「リン、セレナ、全力で防御しろ!!!」


するとリッチの体が崩れていく。


『私はこれで終わりだが、お前も終わりだ!!!【冥府への道連れ】』


すると真っ黒い液体が崩れた部分から流れ出し、この空間すべてを埋め尽くす。


「ッチ」


すぐさま『飛雷身』で天井まで移動し、バベルを突き刺し宙吊りになる。


リンとセレナは一緒に固まっている。


(ユニコーンリングの効果なのか黒い水は二人を避けている………そして残念だが狼は助からないな)


狼は黒い水に飲まれてしまっていた。


すると黒い水が腕の形を取り、俺に向かって伸びてくる。


「『飛雷身』『飛雷身』『飛雷身』」


執拗に伸びてくる度に『飛雷身』で躱す。


(………どうする)


攻撃しようにもユニークスキルの技だと普通の技と相殺になるぐらいだ、捨て身の攻撃は防ぐことはできないだろう。


『おぉぉおおおおおおおおお』「おおぉぉおおおお!!」


しばらく躱し続けていると黒い水の中から半裸の男性が姿を現す。


「……サルカザか?」


少し若返っているようにも見える。


「殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!」


目や口、耳などから黒い液体をまき散らしながら叫び手を伸ばしてくる。


「……会話はもう無理か」


表情、言葉、言動から先ほどまでの知性があるとは思えない。


(……やっぱり自爆技の可能性が高いな)


でなければ知性を亡くす必要性がない。


(となると、どうするかな………)


モノクルを取り出し逐一観察する。


すると一つわかったことがあった。

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