狼の強さの理由
「はぁ!!」
私は自分の持っている淡輝晶剣を掲げて複数の剣を操りスケルトンに切りかかる。
だが傷つかない。
「やっかいね」
前で戦っているリンさんもやりずらそうにしている。
「セレナ、スケルトンの倒し方は知っているか?」
「普通に攻撃して行けば倒せるはずだけど……」
「このスケルトンが特別なのか」
多分そう、デフォルトで持ってないスキルが付与されていると思うの。
(ここで鑑定出来たらすごい楽なのだけれど)
「セレナ!一匹そっちに行った!!」
ボロボロになりながらもこちらに走ってくるスケルトンが一匹。
「っっはぁ!」
魔法ではなく手に持っていたリアシスロクスで切りつける。
「……え?」
するとスケルトンは塵になり、復活する気配がない。
「なんで………分かった!!!!」
私は手に持っている剣の詳細を思い出す。
―――――
淡輝晶剣リアシスロクス
★×5
【輝晶剣】【晶魔法】
貴重な鉱物、光結晶ルクレジュアを使って作られた魔剣。名工が光結晶を鍛え上げ、輝晶として剣と成した。長き時を得て剣は魔力を取り込めるようになり、さらにつよい輝きを生み出すことができるようになった。そのほかに魔力を含んでいる結晶や鉱石を使用することで魔法が使えるようになった。
―――――
この剣の原材料は光結晶、つまりは光属性の魔剣なのだ。
(ボロボロ、つまり瀕死のタイミングで光の魔剣で攻撃すると倒すことができる)
これにそっくりのスキルを一つ知っている。
「バアル様!!こいつら【不死】のスキルを持っていませんか!!!」
「持っているぞ」
予想通りのスキルを持っていた。
「スケルトンはすでに死んでいるから持ってても不思議じゃないと思うのですが」
確かにリンさんの言う通りなのだが。
「本来は持っていないはずなの、だけど」
「……このスケルトンは持っていると…………でどうやって倒すの?」
「簡単よ、すべてのHPを削って再生し終わるまでに光属性のみの一撃をぶち込めば解決!!」
「だそうですよ!!!」
「よくやった」
リンのセレナの会話でスケルトンの【不死】が理解できた。
「んじゃ早速、と言いたいが」
狼の方に視線を向ける。
ガァアアア!
相も変わらずスケルトンに無双している。
(だけど何であれだけ動いているのに大丈夫なんだ?)
――――――――――
Name:
Race:白亜狼
Lv:15
状態:孤独
HP:547/577
MP:854/874
STR:34+50
VIT:17+50
DEX:28+50
AGI:57+50
INT:24+50
《スキル》
【狼牙:14】【狼爪:15】【防毛:7】【身体強化:19】【魔力察知:10】【臭気探知:21】【獣の勘:9】【夜目:18】【念話:5】【言語理解:2】【光闇耐性:――】
《種族スキル》
【群れで個となる】
《ユニークスキル》
【孤独ノ月狼】
――――――――――
「はぁ!?マジかよ」
先ほど見たステータスよりも格段にあがっている。
もっと驚くところはMPの回復速度だ。
854→849→859→854→864
と、どんどん上がっていく。
(あの仕組みは知りたいな)
あれがあれば『真龍化』も使いやすくなるだろう。
『なにやってる』
おっと注目しすぎたせいか心配された。
「いや~一匹でよく善戦しているなと思ってな」
『……じいちゃんのおかげだ』
そういうとそのままスケルトンの相手を続ける。
ただ倒せてはしてもとどめが決められないのでどんどん復活している。
(まぁ何とかなっているから問題ないだろう)
復活しても即座に倒されるので復活している意味がない。




