呪いの発信源
翌日、魔法陣に必要な素材をそろえて樹の元にやってきた。
「っよし」
樹の周りに魔法陣を描き準備を整える。
「――さて最後の確認がだ、本当にいいんだな?」
手順をもう一度確認して、最終確認を取る。
『ああ、やってくれ』
「じゃあ、この魔法陣を発動させます」
セレナが魔法陣に手を着くと、うっすらと魔法陣が輝き、灰色の輝きが樹に向かっていく。
『………なるほど、このような感じか』
「耐えられそうか?」
ステータスを確認すると
――――――――――
Name:
Race:千年魔樹
Lv:341
状態:呪い受け
HP:3455/3456
MP:12452/12454
STR:―
VIT:247
DEX:―
AGI:―
INT:442
《スキル》
【風魔法:54】【土魔法:54】【超自然回復:56】【土壌回復:104】【魔力察知:45】【思考加速:504】【限界突破:52】【言語理解:88】【念話:176】【魔法耐性:245】【火炎耐性:34】
《種族スキル》
【伸縮枝槍】【幻惑】【光合成】【成長】【守護契約】
《ユニークスキル》
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ほんの1だがHPが減っている。
『これなら五日ほどなら耐えることはできるだろう』
猶予は五日しかない。
「それで呪いの場所は」
『場所は太陽が沈む方向、そこから山を4つ越えた先の洞窟の中だ』
すぐさま地図を取り出し場所を確認する。
「そこはニルーブ子爵領だな」
ゼブルス領の西に接している子爵領だ。
「本当にそこなんだな?」
『ああ、間違いない』
「よし、早速移動する」
準備してある馬にまたがり、走らせる。
「これからはお前の連絡が頼りだぞ」
馬の横には狼が並走している。
『任せろ』
狼がついてきたのには理由がある。
狼と樹は【守護契約】を結んでおり、どこに居てもお互いの場所がわかり、なおかつ連絡を取り合うことができる。
今回はその力を利用し、樹が狼の位置と呪いの根源の位置を見比べて誘導することになっている。
『おい……なぜ、止まる』
夜、俺たちは手軽な場所でテントを張っていた。
「残念ながらここまでだ、もう馬がもたない」
たとえ異世界の馬でも休憩なしで全速力で走らせればさすがに限界が来る。
「その代わりにあとあと半日でたどり着く」
約半日で半分の距離を来ることができた。
『だが!!』
「ここで休息を取らずに進んで判断力が鈍るよりも、少しだけでも休息をとって頭を休めた方がいいと思うが」
肝心な時に大事なことが気づかないほうが危ないと考える。
『……わかった』
ということで休息を取り夜を越す。
翌日、太陽が真上に来る頃俺たちはニルーブ子爵領にたどり着いた。
「さて、じゃあ方向を教えてもらえるか」
『……こっちらしい』
向かった先はニルーブ子爵領では有名な鉱山の方向だ。
「あれ?町にはいかないの?」
狼の案内で移動している。
その際に村や町に近づくが寄るわけではない。
理由は俺だ。
俺がどこかの町に入って、それを知られると呪いをかけている奴が逃げる可能性がある。
(だとすると気軽に町に入るのにはリスクがあるからな)
本音を言えば町に入って詳細を知りたいのだが。
逃げると猶予までに処罰することができなくなるかもしれない。
このことを説明する。
「そうですか……べっどぉ」
昨日寝る時でも、地面で寝るのに慣れてないのか寝苦しそうにしていた。
『いそげ』
セレナには我慢してもらい先を急ぐ。




