表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/470

セレナの奮闘

「期待外れだな」


その言葉にとてつもない怒りを覚える。


(やったろうじゃないの!!!!)


ユニークスキルを使わずに魔法を使う。


(今回は土属性の魔女、だから!!)


『エアカッター』の魔法式を組み立てて発動させる。


(同時に3つしか使えない、ならできるだけ回避しながら攻撃して、避けられないのは打ち消すしかない!)


ということで動きながら魔法を使う。


先ほどまでは痛いのが嫌で、できるだけ距離を取るのだが、今は少し擦り傷が付くのは承知で攻撃しやすい場所を取る。


「っ!『エアカッター』!」


よけきれずにぶつかりそうになった岩塊に魔法をぶつけて相殺する。


(これじゃだめ、じり貧になるだけ)


本来ならユニークスキルを使えばもっと魔法が使えるのだが、使ったが最後、バアル様は助けてくれなくなる。


バアル様に視線を向けるとこちらを見ている。


その視線は観察するような感じだった。


(見てなさい!あなたの力なんか借りない………あれ、借りないなら)


ユニークスキルを使っていいんじゃない?


もう一度視線を送り、その意図を読み取ろうとする。


(なんでバアル様はユニークスキルを使用させないの?ユニークスキルを鍛えるなら使うのがいいはず)


頑張って頭をフル回転させながら戦闘をこなしつつ考える。


(……こうしなければ強くなれないから?)


なんで強くなれないの?


もう一度自分のユニークスキルを思い出す。


『多重ノ考者』は自分の思考を二つにするスキル。


パソコンで言うとシングルコアからデュアルコアにできることだ。


(………私自身のスペックが足りてないのね)


たとえ思考が二つに増えても、一つでいくつのも思考(プログラム)できる脳と違い、二つあるが合わせて一つの思考(プログラム)しか使えないなら意味がない。


「こんにゃろ!やるわよ!やってやるわよ!!」


と言うことで戦いに集中する。









セレナの戦いはかなり奮闘した方だろう。


なにせ7割ほどの魔女を殲滅してのけたのだから。


だがさすがに全滅させるに至らなかった。


「ご苦労」


床でうつ伏せになっているセレナを(ねぎら)う。


――――――――――

Name:セレナ・エレスティナ

Race:ヒューマン

Lv:16

状態:普通

HP:42/84

MP:24/174


STR:11

VIT:7

DEX:16

AGI:9

INT:37


《スキル》

【剣術:3】【火魔法:3】【水魔法:3】【風魔法:4】【土魔法:3】【雷魔法:3】【光魔法:2】【闇魔法:2】【料理:4】【家事:3】【算術:12】【化粧:8】【礼儀作法:9】

《種族スキル》

《ユニークスキル》

【多重ノ考者】

――――――――――


モノクルを取り出して鑑定する。


(狙い通りINTを重点的に鍛えることができたな)


これならば先ほどよりも戦闘が楽になっているはずだろう。


「………」

「どうした?」


セレナは膨れっ面で見てくる。


「……ご指導、ありがとうございます」

「そんな顔でお礼を言われたのは初めてだな」


INTを伸ばしたのは理由がある。


あの神は知能指数は関係なく、記憶に関係していると言っていた。だがこれだけではなく、INTには情報処理能力も含まれていた。


つまりこれを伸ばせばどんな状況下で自分がどんな行動をすればいいのかわかりやすくなる。


それとここまで無茶をさせたのはセレナの戦闘に向けての意識改善も含めてだ。


たとえ経験したことがあるゲームでもこれは紛れもない現実で、命のやり取りなんだ。


相手は死に物狂いで殺しに来るしこちらも全力で殺しにかかる必要がある。


(まぁ死生観が元から違うから荒療治になったがな)


平和な日本でいきた記憶があるならそれもしょうがないがな。


「とりあえずこれを渡しておくぞ」


ということで以前手に入れたマナポーションを渡しておく。


「……え?回復量350!?」

「いざとなったら使え」


ポーションは希少品だそれもそれも回復量が100以上となると金貨が必要にもなるくらいだ。


なのでよっぽどがない限りは自然回復を待つのが賢明なのだ。









セレナの魔力が全回復したら次の部屋に向かう。


「『ファイアーボール』!」


今回は風属性の魔法陣だ。


「!『輝晶剣』」


背後からの風魔法を生み出した剣で防ぐ。


それからの戦闘でもほんの少しだけ余裕ができていた。


「はぁはぁはぁ」

「おめでとう、つぎはユニークスキルを使いながら挑戦してみろ」


未だに疑った目をしているが次でわかるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ