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収穫祭?文化祭?

それから程よく季節も流れ、秋の中頃になる。


「バアル様は文化祭に参加しないのですか?」


休みの日に家でくつろいでいるとセレナがそう聞いてきた。


「文化祭?」


たしか学園の恒例行事にそんなのがあったような………あったか?


「そうです、狙っているキャラの好感度が高まりやすい好イベントです!!」

「すまん、何を言っているか全くわからん」


一応ゲームはしたことはあるが一般的なゲームばかりでギャルゲーなどのコアな奴はやったことがない。


「それに文化祭とはなんだ?」


この世界で文化祭と言う言葉は存在しない。


現に冬の休みまでで祭りと言えば収穫祭ぐらいしかない。


「ああ、ええと、来週にある収穫祭のことです」


……それか。


でも聞いていた話だとそこまで良い祭りでもないと聞いていたんだが……


「俺が知っている限りだとそこまで豪華な祭りでもないはずだが」


農家などが学園やその周辺に屋台を出し、広場で演劇などがあり、夜には花火が揚がるぐらいしかないのだが。


「いや、それでも十分でしょう………でもメインはそれじゃあないんです!!」


メインじゃない?


「収穫祭にだけ出現するダンジョンです!!」







収穫祭当日、俺とリンはセレナと共に様々な場所をめぐり歩いている。


『ダンジョンには必要条件があってすべての施設を周らなければ現れないんです』


ということで図書館、教室、演劇場、屋台の出ている広場、訓練場などを歩く。


「本当にこれでダンジョンが出るんだろうな?」

「……もちろんです」


セレナはもしかしたら違うかもと思ったがここまで来たら信じ切るしかなかった。


収穫祭は3日間行われていているのだが、セレナの話だと一日で総てを周り切らないと出てこないのだとか。


生徒が教室を借りて出している催し物を総て回る。


なかには魔法講演会、武術展示場、武器展覧会、スキル説明会などがあった。


広場などではクラブが剣術体験などもやっていた。







「あのぅ~、もう少し楽しみませんか?」


ほんの少し楽しんだら出るをやっているとセレナが文句を言ってきた。


「こぅ、もう少し楽しみながらやっても」

「やるだけ無駄だ」


昔から祭りは楽しめない性分なのだ。


(コンサートとかは楽しめたんだが、祭りになると全く楽しめないんだよな)


「夜にあるダンスパーティーに必ず参加するので、それまではどれだけ早く回ったとしても意味ないですよ」


と言うことなのでペースを落としてセレナ主導で動くこととなった。


「ん?あれは」


曲道の向こうを見てみるとルナとカルスたちがいた。


「げっ!若」

「……今の言葉は聞かなかったことにしてやる」


貴族に向かって「げっ!」はないだろう。


「お前たちも祭りに来たのか」

「はい、さすがに訓練だけでは持たないですから」


訓練続きだとかわいそうだから今日を使って祭りに来たそうだ。


「それにしても意外です、若が収穫祭に出回っているなんて」

「意外か?」

「はい、あんな低俗な祭りに関わるつもりなんてない、とか言ってそうでしたもの」


こいつが俺のことをどう思っているかは理解できた。


「まぁ訓練しているならいうことはない、それと」


俺は財布から銀貨三枚取り出しカルス達に一枚ずつ渡す。


「せっかくだこれで楽しんで来い」

「「「ありがとうございます!!」」」


カルスたちはさっそく屋台に駆けだしていった。


「ああ、もう、では若、私達はこれで失礼します」


ルナも三人の後を追っていった。


すると後ろでリンが薄く笑っている。


「なんだ?」

「いえ、相変わらず身内には甘いなと思いまして」

「甘いと思うか?」


セレナに尋ねると、答えずらそうに。


「す、すこし、ですかね~」


なにやら目線が泳いでいる。


(な、なんかおもっていたイメージじゃない)

「ほら行くぞ、少し早く回りすぎたみたいだからゆっくりとな」


俺は二人を連れて祭りを楽しむ。


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